2005年1月1日(土) 『初 詣』
明けましておめでとうございます。
あんまりお正月気分はないんだけど、一応元旦なので、
こぶ「しゅうちゃん今年も宜しくね。m(・ω・`)m」
しゅうちゃん「こちらこそ・・・。(*´∇`)ノ」
こんな毎年恒例の新年の挨拶をしてからおとそを飲んだ。
10時頃、今年もしゅうちゃんママから御節が届いた。
この荷物がすごく重くて、毎年ヤマト便のお兄さんが玄関の中まで運んでくれる。
『ありがたや。』
届いて早々荷物の中を物色。
なます・数の子・くわい・おもちなどのおせち料理とともにお蕎麦。
毎年送られてくる蕎麦は12〜13玉ぐらいなのに、今年は26玉。
もちろんお母さん特製のおつゆ付き。
さらに、桜肉のしぐれ煮やつるむらさきなどなど普段のおかずも送ってくれた。
荷物を物色終えたところで、しゅうちゃんママに新年のご挨拶の電話をかけた。
しゅうちゃんママ「こぶちゃんが無理しないでのんびり出来るように、普段のおかずも送った。」
それから「お蕎麦は、こぶちゃんが蕎麦とか麺類なら食べられるってしゅうちゃんに聞いたから沢山送った。」との事。
『しゅうちゃんママ。ありがとうございます。』
早速お蕎麦を食べて、しゅうちゃんの運転で厄除け大師に出発!
14時頃着いたけど、駐車場が混んでいてしばらく待った。
ようやく車を止めて境内に行くとやっぱり混んでいた。
病気になってから神頼みをするよになったこぶ。
今年は去年(2004年)野菜さんや温泉さんから聞いたお賽銭を準備して並んだ。
その金額は45円。
『しじゅう(いつも)健康にご縁がありますように』という意味があるんだって。
『健康に充分ご縁があるだけの15円じゃ病人は効果ないのよ。』って教えてくれた。
当時のこぶは「そうなんだー。」と、目からウロコで関心していた。
この話を聞いたのは、まりもさんやゆずさんやききょうさんも
同室だった去年(2004年)の3月頃。
あの頃はみんな元気で、病室はいつも笑顔であふれていたなぁ。
主任先生に、「こぶさんのいる病室はいつも賑やかだね。」って言われてたっけ・・。
『こぶが』というより、温泉さんや野菜さんが明るかったし、特に明るかったのは日記には登場していないけど、
子宮筋腫の患者さんのみかんさん。
お腹が痛いらしくて常に眉間にしわが入っていた。
みかんさんが眉間にしわを寄せながら「こぶさん笑わせないでー。笑いすぎてお腹が裂けちゃうじゃない。」ってよく言ってたなぁ。
みかんさんは、切開したお腹をかばってか、ベッドから立ち上がる時にはいつも『ラマーズ法』で立ち上がってた。
『ヒッヒッフー』の『フー』で立つとお腹に負担がかからず良いんだって。
50歳を過ぎているみかんさんのその姿がなんだか可愛くって、いつも笑って見ていたなぁ。
そうそうこんな事もあった。
病室で、なすび先生から「みかんさーん。抜糸・・・。」とアナウンスが入ったとき。
こぶ「みかんさんの話ししていたら、みかんさんが呼ばれたー。」と笑って言うと、
みかんさん「本当ね。」と笑う。
まりもさんやゆずさん達も笑う。
みんなで笑っていたら、病室のインターホンが切れていないことにゆずさんが気付いた。
「処置室にいる看護師さん達に話を聞かれてた!!」とみんなで大騒ぎ。
抜糸を終えたみかんさんが、
なすび先生に「こぶさん達の病室が何時も明るいから盗み聞きしたんだ。」って言われたんだって。
まあ確かに、抗癌剤デビューの人達が多い病室にしては賑やかだったかも。
お賽銭を投げるまでのだいたい10分ぐらいの間に、色々と思い出し・・・。
亡くなられた温泉さんのことや病状が思わしくないカンナさんの事とか色々お願いしてお家に帰った。
お家に帰る途中で、自分のことお願いするの忘れてたことに気付いたけど・・。
『まっ、いいか。』
2005年1月2日(日) 『年賀状』
8時頃御節を食べている時に、ふと、
『昨日ポスト見るの忘れてた!!』
慌ててポストに年賀状を見に行った。
毎年届く親戚やこぶ&しゅうちゃんの両親や兄弟や友達からの年賀状に加え、
今年は、まりもさんやよもぎさんやあんずさん(4月頃ご一緒した患者さん)達からも年賀状が届いた。
こぶも去年のうちに書いたので、今頃届いているはず。
『このまま皆さんと共に今年も元気に過ごせますように。』と改めて思った。
けど・・・。
友達からの年賀状は・・・。
今年新しく家族が増えます!!が実に多かった・・・。
『羨ましい・・・。』と、一瞬思って悲しくなったけど、こぶ、泣きません!!
何故なら、まだまだハゲていて病人ちっくなこぶですが、
もんち先生から、妊娠の許可が下りているんだもん!!
退院して2ヶ月目ぐらいから、もんち先生に「子作りがんばって。」攻撃を受けてきたこぶ。
去年は友達からの年賀状に凹んで悲しかったけどね。
『強くなったな〜。』
それはそうと、明日はしゅうちゃんの誕生日!!
今年も毎年恒例の『アップルパイ』を焼きます!!
2005年1月3日(火) 『思ったより高カロリー』
しゅうちゃんの誕生日〜♪
おめでとう!!
今年も心を込めてアップルパイを焼きました〜。
すッごく喜んでくれました〜。うふふ。
けど、しゅうちゃんに、「来年からは別の(ケーキやプリン)にして。」と、言われました。
しゅうちゃんは今までアップルパイに使用されるバターの量を知りませんでした。
今まではこぶがお家に1人で居る時にパイ生地を作っていたんだけど、
今年は、しゅうちゃんがこぶが生地を作る所を横で見ていました。
そこで初めてパイ1つ作るのに、バターが1箱使われる事を知ったらしい・・・。
ファイバーネット(体の中に入ってきた、油を体外に排出させる)を飲んでから太らないって言っているのに、しゅうちゃん「太るー。」とな。
なので、来年からはこぶの好きな、レアチーズケーキを作ります。
ってこれもチーズのカロリーが高っ!!
『来年のケーキどうしよう?「(゚ペ) うーむ。』
2005年1月19日(水) 『スケスケ』
↑MRI
縦切り画像
↑CT
輪切り画像
今日は病院でMRI。
予約時間は9時45分(早っ)なので昨日の22時から禁水・食です。
8時30分頃しゅうちゃんに送ってもらって、予約時間よりかなり早めに病院に着いた。
受付を済ませてMRI室へ向かった。
MRI室は、受付をした棟とは別の棟にある。
ここに行くには一旦外に出て、外廊下を歩かないといけない。
『寒いよー。(((=_=)))ブルブル』
MRI室では、最初に同意書を確認。
確認してくれた技師さんは、ここの最高責任者でこぶとは顔見知り。
技師さん「ああ!!こぶさん。久しぶり〜。いつもの検査だから特に説明は要らないよね。(^-^*)/」
こぶ「うん。着替えてきます。」
ロッカー室で検査着に着替えるんだけど、
ここの検査着は薄くてとってもセクシー。(笑)
パンツの柄がうっすらと分かる微妙な生地で出来ている。
当然、そんなものは着たくない訳で、こぶは用意してきたTシャツとズボンに着替えた。
着替えた後は、ソファでTVを見ながら順番が来るのを待つことになっている。
この待っている間に腸の動きを緩やかにする薬を筋注で入れるんだけど・・・。
『技師さんが来ない!?(・_・ ) ( ・_・)キョロキョロ』
顔見知りの技師さんに聞いてみた。
技師さん「ああ。あれね。痛いわりには効果が期待できないから今年から辞めたんだよね〜。
僕達も患者さんが快適に検査が出来るように色々と考えているんだよ。」との事。
こぶ「なるほど〜。」と、関心していたら、こぶの順番が来て検査室に呼ばれた。
ここでも、いつもと勝手が違っていた。
いつもなら、MRIの台の上に横になったあと、
お腹の上にグレーのボード?を乗せてからベルトで固定されるんだけど・・・。
『グレーのボードがない!?(・_・ ) ( ・_・)キョロキョロ』
またまた技師さんに聞いてみた。
技師さん「ああ、あれね。患者さんが動かないように固定していたんだけど、
苦しいみたいだから辞めた。こぶさんも『腫瘍のある部分に乗せないで〜。吐く〜。』
って言ってたでしょ?」(笑)
『そういえば・・・。入院中は、お腹に腫瘍があってボードを乗せられるのが辛くて、ボードなしで撮って!!とお願いしていた。』
こぶ「・・・わがまま言ってすみませんでした。(ToT)ゞ スンマセン」
技師さん「良いの良いの。」
MRIでは腹部造影検査の為、30分撮影した。
撮影中は、『ドンドンドン・カラカラカラカラ・ドンドンドンドン・カラカラカラカラカラ・ピーコンピーコン・カラカラカラカラ・・・』と、ずうっとうるさい!!
(∩゚д゚)
どっかの民族舞踊みたいなリズムを、MRIのなかで誰かがノリノリでたたいてる感じ。
何回撮っても、このうるささはひどいもんだねぇ。
ノリノリの中の人には悪いけど・・・。
CTの時は、ずーっと『シャー』って音をたててリングが回って輪切りを撮っていく。
(↑最新型)
音がないのはレントゲンだけなんだって。
MRI終了後、会計を済ませお家に帰った。
お家に着くと、いつもの吐き気。
(|| ×m×)オ、オェ・・
何か造影剤が合わないのか、検査の後必ず吐くんだよねぇ。
次の外来は、1月31日。
この日にMRIの検査結果を聞く。
『どうか腫瘍(枠だけだけど)が消えていますように・・・。( ̄十 ̄)アーメン・・・』
2005年1月31日(月) 『そんなのあったの?』
桃さん
びわさん
萩さん
よもぎさん
カンナさん
約2週間ぶりの外来。
予約は15時30分。
今回もしゅうちゃんに送ってもらった。
病院についたら、1Fの受付で、保険証と予約の確認をしてから、
2F奥にある婦人科外来にむかった。
すぐに採血をしてもらって、いつも通りの長い待ち時間。
に、なるはずが・・・
桃さんに会った。
桃さん「こぶさん!久しぶりね!ヽ(^o^)ノ」
こぶ「桃さんお久しぶりです〜。入院中はお世話になりました。
今日は外来ですか?」
桃さん「ええ。こぶさんはいつ頃退院したの?」
こぶ「9月15日です。」
桃さん「そうなんだ。長かったね。・・・でも、元気になって良かったね。」
こぶ「うん。桃さんもとってもお元気そう。」
桃さん「私?元気元気!!p(*⌒0⌒)q
先週娘とミュージックステーションを観てきたの〜。
スマップを生で観てきたんだよ〜。」
こぶ「すご〜い!!いいなぁ。」
桃さん「ウフフッ。病気してから何だか、1日1日を充実させたいなって思うようになったの。」
こぶ「うんうん。それはありますねぇ。」
桃さん「でしょ?だから毎日元気に過ごしてるんだ〜。こぶさんのこと気になっていたから会えて良かった。」
と、握手をして、桃さんは元気に帰って行った。
桃さんが帰った直後、
「お姉さ〜ん。元気になったね。」と、こぶの座る席の後ろから声がした。
『この声は・・。あっ!びわさんだ!!』
こぶは後ろに振り返りながら、「びわさん、お久しぶりです〜。
入院中はお菓子を頂いたりしてお世話になりました。」
びわさん「お姉さんとは同じ病室になった事が1度もないのよねぇ。
だから私のこと覚えてないかと思った。(=´▽`=)」
『びわさんはいつも、こぶをお姉さんと呼ぶんだ。』
こぶ「覚えていますよ。」と、ニッコリ。
それからお互いの近況を話した。
しばらくするとそこに、萩さんが車椅子に乗って診察室から出て来た。
萩さん「あら!こぶさんとびわさんじゃない〜。」
こぶとびわさん「アッ萩さん、お久しぶりです〜。
(*^-^)/\(*^-^*)/\(^-^* )」
萩さん「こぶさんもびわさんも髪の毛伸びたんじゃない?」
こぶ「うん。見て見て〜。(・_・)” ☆;:ピカらない:」」と帽子を取ると、
萩さんとびわさんに「あら〜、すごいじゃない!(*^0^)ヾ(^▽^)」と、褒められた。
『うふっ』
萩さん「こぶさん、元気になって良かったね。
・・・私はだめ・・・。
足がパンパンにむくんじゃって痛くて歩けないし、
食事も出来ないの。」
こぶとびわさん「・・・大変だね・・・。」
萩さん「うん。「来週から栄養点滴しようか?」
ってもんち先生に言われちゃったけど、
知っている患者さんはみんな退院しちゃったし、入院したくないなぁ。」
びわさん「お見舞いに行くからさっ。p(´∇`)q 元気出して!」と、励ましていた。
その横でこぶは、萩さんの手をぎゅっと握った。
萩さんもこぶの手を握り返してくれた。
しばらくして、びわさんが主任先生に呼ばれた。
ほどなくして萩さんも御主人が迎えに来た。
萩さん「もんち先生に、こぶさんどうしてる?
っ聞いたら、順調順調って言われたの。
こぶさん、治って良かったね。」
こぶ「はい。本当に良かった治って。萩さんお大事に。」と、挨拶をした。
こぶは再び1人になった。
と、思っていたら、今度はよもぎさんに会った。
よもぎさん「こぶさ〜ん!久しぶり〜。ヾ(*'-'*)」
こぶ「よもぎさん、お久しぶりです〜。」
よもぎさん「たった今そこで、萩さんに会ってね。
こぶさんが来ているって聞いて、走ってきちゃった。
ε=ε=ε=┏( ^-^)┛」
こぶ「大丈夫ですか?」
よもぎさん「大丈夫。ちょっと採血してくる。」とこぶに言い残し、9番の処置室に行った。
よもぎさんの採血の後、
こぶ「1時間ぐらい待っているんだけど、もんち先生に全然呼ばれないんです。」
よもぎさん「今日は混んでいるもんねぇ。
それよりどうなの?元気なの?」
こぶ「はい。元気です。今日は、19日に撮ったMRIの結果を聞きに来たんです。」
よもぎさん「そう。お腹の腫瘍なくなっているといいね。」
こぶ「うん。」なんて話していたら、やっとこぶの番がきた。
「こぶさ〜ん、こぶさ〜ん・・・。」
もんち先生が呼んでいる。
よもぎさん「こぶさん、呼ばれちゃったね。
また電話するね。」
こぶ「はい。それでは行って来ます。ヾ(*'-'*)マタネー♪」と、元気に挨拶をして、診察室に入った。
もんち先生「ごめんね。待った?」
こぶ「うん。待っている間ずっと患者さん達と話していたの。」
もんち先生「だと思った。萩さんと話してたの?」
こぶ「うん。あと、桃さんとびわさんとよもぎさんと・・。」
もんち先生「そんなに話してたの?」
こぶ「うん。」
もんち先生「こぶさんに前から聞こうと思っていたんだけど、よもぎさんと仲良いよね?」
こぶ「うん。3月頃、病室が一緒だったの。
あの頃、私は私で、来週からMEA療法の治療が始まる頃だったし、よもぎさんはよもぎさんで、4月に入院するかもって悩んでいた時でね。
お互いに励ましあっていたんだぁ。」
もんち先生「あーあの頃ね。そうかー。それで仲良いのかー。」
と、納得していた。
それから、19日に撮ったMRIについて先生から話があった。
もんち先生「こぶさん、僕が話す前に見る?(MRIのフィルム)」
こぶ「うん。見たい。」と言うと、
もんち先生は、ライトボードにフィルムをはさんで見せてくれた。
こぶ「あっ!!枠(腫瘍)ない!!
(゚0゚*)オ--ッッ!!!」
もんち先生「腫瘍の枠もそうだけど、あちこちに飛び散っていた小さな腫瘍もなくなったんだよ。」
こぶ「えっ?そんなのあったの?
(゚ー゚*?)オヨ?」と言うと、
もんち先生「実はあったんだよねぇ。こぶさん気付いてなかったの〜。」と、
もんち先生は得意げに前のMRIのフィルムをこぶに見せた。
こぶ「その腫瘍とやらはどこにあるの?」
もんち先生「こことここ。」と、先生が指差す先に、すごーく小さくてキラキラ光るものが3・4個・・・。
こぶ「あら〜・・・・。」
もんち先生「でも、今回のMRIで消えてたんだよ!良かったね。」
こぶ「うん。本当に良かった。腫瘍がないって事は、完全に治ったんだよね?」
もんち先生「そうだね〜。だ・か・ら・そろそろ子作りを・・
……(-。- ) ボソッ」
こぶ「去年も言いましたけど、次の妊娠まで、1〜2年あけるの!!」
もんち先生「そうか〜。気持ちは分るけど、今が一番いいタイミングなんだけどな。」
こぶ「そう言われても、まだまだハゲているし・・・。
せめて髪の毛が伸びてからね。
5分ハゲの妊婦なんて変じゃん。」
もんち先生(笑)「それもそうだね。
周りがびっくりするかもね。」(笑)
こぶ「でしょ?」なんて話しを20分ぐらいした後、
もんち先生「次の外来2月の21日で良い?」と聞かれ、
こぶ「うん。」と、返事して診察終了した。
カルテを確認してくれた看護師の菊さんと話していたら、
そこに主任先生とタコ先生が通りかかった。
「こぶさん、今日はもんちろう君から、良い結果が聞けたでしょ。」
こぶ「うん。」と、ニッコリ。
主任先生とタコ先生「良かったね。」と、ニッコリしてくれた。
『嬉しい。』
その後、会計のために1階に行った。
「あっ!こぶさ〜ん!・・・今日外来?」
そこには、見る影もないほどげっそりとやせ細ってしまったカンナさんの姿があった。
カンナさん「私ねぇ、かれこれ2時間くらいここで待ってるんだぁ。だんながお金払ってくれないと帰れないから、仕事が終わって来てくれるの待ってるんだぁ。」
どうやら病室は、次の患者さんのために明け渡したらしい。
こぶ「大丈夫?寒くない?」
カンナさん「うん。平気。今月に入って急に痩せちゃってぇ・・・。
もんち先生に「お家に帰りたい」って言ったら帰してくれたの。
・・・こんなに痩せたら普通は帰さないのにね。
・・・来月にはもういないかも・・・。
だから、こぶさんが元気になった姿が見れて良かった。
心配してたんだよ。・・・こぶさん。
次ぎは絶対生めるからね。」
そう言って、こぶの手をぎゅっと握ってくれた。
しばらくして、カンナさんのご主人が迎えに来て帰って行った。
こぶも会計を済ませ、しゅうちゃんの運転で、お家に帰る途中で、
こぶ「腫瘍がなくなっていたんだよ!!」という話しをした。
しゅうちゃん「良かったねぇ。」と、しゅうちゃんも喜んでくれた。
『ウフッ。・・・でも・・・』
お家に着いてから、しゅうちゃんママとパパに今日の外来の結果を報告した。
しゅうちゃんママとパパ「こぶちゃん、良かったねぇ。」と、泣いていた。
それが嬉しくて・・・。
電話しながら泣いちゃった・・。(⌒┰⌒*)ゞ テヘ
2005年2月21日(月) 『はずかしかった』
あやめさん
タテジマさん
よもぎさん
今日は2週間ぶりの外来。
予約は15時30分。
今回もしゅうちゃんに送ってもらった。
病院について、1Fで受付を済ませてから2Fの奥の婦人科外来にむかった。
今日の採血は仲良しの菊さんだった。
それからは、いつも通りの長い待ち時間。
になるはずが・・・。
運良くあやめさんに会った。
あやめさんの主治医はタコ先生で、今日は2ヶ月に1度の外来だったそうだ。
あやめさん「こぶさん久しぶり〜。」とこぶの手をぎゅっと握ってくれた。
こぶ「あやめさん、お久しぶりです〜。退院して5ヶ月経ったんですよ〜。」
あやめさん「そんなに経ったの?」
こぶ「はい。髪の毛もこんなに伸びたんですよ。σ(o^-^o )」と、帽子を取って見せた。
あやめさん「あら〜。すごい伸びてる!!元気な証拠ね。」と、ニッコリしてくれた。
その後、お互いの近況について話をした。
あやめさんは、「最近やっと抗癌剤の副作用の足の痺れが治ったの。」と、言っていた。
『良かったね!!』
10分ぐらい話をして、あやめさんは帰って行った。
退屈になったので本を読んでもんち先生に呼ばれるのを待っていた。
しばらくしたら、
もんち先生の声で、「タテジマさ〜ん・・・。」と、アナウンスが入った。
『ん???タテジマさん?』
本を読んでいた手を止めて診察室に向かう患者さんの顔に注目した。
『あっ!!タテジマさんだ!!』
急にイヤ〜な気分になった。
タテジマさんと過した楽しくない日々(3月28日頃)が走馬灯のように頭の中を駆け巡った。
『はぁ。会いたくない人に会ったなぁ。ε=(。・д・。)フー』
と、そこに
よもぎさんが「こぶさん、元気ないじゃん、どうしたの?」と、声を掛けてくれた。
こぶ「会いたくない人に会ったの・・。」
よもぎさん「会いたくない人?こぶさんにもそういう人いるんだねぇ。」
こぶ「うん。髪の毛が抜け始めた頃にご一緒した子宮筋腫の患者さんなんだけどね。
毎日、『今日は抜ける日なの?』とか聞かれて・・・。」
よもぎさん「そんな事言われたの?嫌ねぇ。実は私も会いたくない人いるんだ。
その人と話しているときに、「自分のマーカー知らない」って言ったら、『駄目じゃない!!』って怒られて・・。」
こぶ「エッー。そんな人いるの?」
そんな話しをしていたら、
もんち先生に「こぶさ〜ん。」と、呼ばれた。
よもぎさんに「こぶさん、元気だして!!」って励まされながら、診察に向かった。
もんち先生「こぶさん、今回も問題なし!!良かったね。何か聞きたい事はない?」
こぶ「う〜ん・・。あっ!お腹のおでき!
前からあるんだけど、最近急に大きくなってきたんだよねぇ。診てくれる?」
もんち先生「うん。良いよ。」と、右腹のおできを診察してくれた。
もんち先生「これ、皮膚科でちょきんとメスで切ってもらったほうがいいなぁ。」
こぶ「メス?」
もんち先生「うん。局部麻酔で手術室でね。たぶん痛くないよ。
それと皮膚科なんだけど、ここの皮膚科じゃなくて、こぶさんの家の近くの○○総合病院。
あそこ皮膚科があるから、そこで処置してもらったら?」
こぶ「あー。あそこね。行った事ないなぁ。」
もんち先生「あそこ良い病院だから、こぶさんのかかりつけ病院にしたら?
こぶさんはアレルギーとかあるからかかりつけの病院を作ったほうが良いよ。d(^-^) 」
こぶ「明日行って来る。」
一通り話し終わって気が抜けたのか、
思わずため息をついてしまった。
もんち先生「どうしたの?何かあった?話聞くよ。」
こぶ「・・・。会いたくない人に会った。」
もんち先生「誰?」
こぶ「別にいいの。」
もんち先生「いいじゃん、誰?」
こぶ「タテジマさん。」
もんち先生「あー。あの人さっぱりしているよね。」
こぶ「そうなの?」
もんち先生「そうそう。だから悪気ないんだよねぇ。それにあの人はあの人で大変なんだよねぇ。
家族とか周りの人に病気を理解してもらえてなくってねぇ。」
こぶ「そうなんだ・・。入院中笑顔で「ハゲ見せて!」って言われたりしていたんだけどね・・。」
もんち先生「そうかも知れないけど、お腹切った人はみんな辛い思いしているからか優しいよ?」
こぶ「タテジマさんが優しい?私には分らないけど、先生がそう言うならそうなのかなぁ?
こぶの周りにはいないタイプで・・。」
と、話していたら、もんち先生の後ろを講師の先生が通りかかった。
講師の先生は、もんち先生に「大丈夫?」と声を掛けて去っていった。
講師の先生には、こぶともんち先生がもめている様に見えたみたい。
もんち先生「仕事上色んな人に会うけど、世の中悪い人ばかりじゃないから。気にしないで・・。」と、まるで親が子供にいうように諭された。
最後に次回の外来日を決めた。
次ぎの外来は4月11日になった。
お腹の腫瘍が無くなった今、2週間に1回の外来は忙しいので、
先生にお願いして、2ヶ月に1度にしてもらった。
風邪を引いているもんち先生に「お大事に。」と言って、
早く風邪を治すように諭してやった。
~(^◇^)/ ウホホホ
今回も20分ぐらい話をした。
17時頃会計を済ませ、しゅうちゃんとお家に帰った。
車の中でしゅうちゃんに、タテジマに会った事と、もんち先生に言われた事を話した。
しゅうちゃん「もんち先生になんで諭されてるの?妻3x歳なのに恥ずかしいねぇ〜。」と言われた。
『はずかし〜。』
しゅうちゃんに言われて余計に恥ずかしくなった。
(//・_・//)カァ〜ッ…
2005年3月 『夢の話』
夢で見たんだ。
そこは、体育館よりもはるかに広くて、ひどく蒸し暑い所。
うっすらと湯気もたち登っている。
そこに、数えられないほど多くの同じ服を着た人達が横になっている。
木造の大きな建物。
そこがどこなのか、まったく見当もつかない。
その、多くの人達が横になっている少し空いた一角を見つけ出してこぶも横になった。
『本当に蒸し暑いなぁ』
誰も話さないし、動かない。
『静かだ』
ゴソッ。
こぶの前の人が動いた気配。
『カンナさん・・・?』
次の瞬間、こぶの鼻に触れるほどの距離にカンナさんがいる。
『!!!』
「つぎ、生めるよ。必ず生めるからね。」
そう言って無言で、蒸し暑くて広い部屋を出て行った。
それをこぶが追う。
次の瞬間、こぶ達は、白い車で大自然の中を走り、
グルグルと山道を登っていく。
2人とも、後ろの座席に座っていた。
運転しているのは誰だろう。
『・・・?・・・カンナさん?』
・
・
・
不思議な夢だった・・・。
2005年4月11日(月) 『着信アリ』
まりもさん
かりんさん
やさいさん
朝顔さん
2ヶ月ぶりの外来♪
予約時間は、16時30分だけど、まりもさんと会う約束をしているから、15時頃お家を出発。
今まで2週間に1度通院をしていたこぶにとって2ヶ月に1度の外来はっていうのは、健康になった証みたいで実に嬉しい♪
『ヾ( ~▽~)ツ』
今回も、しゅうちゃんに車で送ってもらった。
『ありがとうね。』
病院に着くと、いつも通り1Fの受付で、保険証と予約表の確認をしてから、
2F奥にある婦人科外来にむかった。
すぐに菊さんが採血をしてくれた。
菊さんは採血をしながら、
「こぶさん、先月来なかったでしょ〜。」
こぶ「うん。」
菊さん「もんち先生が、先月こぶさんが来ないって、寂しがっていたのよ〜。」
こぶ「そうなんだ〜。」(笑)
菊さん「うん。自分で、こぶさんを2ヶ月に1度の外来にしたのにねぇ。」
こんな話をしていたら、いつの間にか採血が終わっていた。
待合室に戻ると、まりもさんが来ていた。
まりもさん「こぶさ〜ん、お久しぶり!お元気?ねぇ、お元気なの?」と、こぶの手をぎゅっと握ってきた。
こぶ「はい。しぶとく残っていた腫瘍も1月のMRIできれいになくなっていて・・。」と、話すと、
まりもさん「そうなの!良かったわねぇ。ずーと気になっていたから嬉しいわ♪。」
こぶ「ありがとうございます。まりもさんもお元気そうですね。」
まりもさん「そうなのよー。とっても元気でね〜。
・・・髪の毛がすごい勢いで伸びるのよ。
だから、毎月、美容院に行っているの〜。」
こぶ「いいなぁ、私も早く伸びないかなぁ。」
まりもさん「大丈夫よ!こぶさんも伸びてくるわよ!」
こぶ「うん。」
こんな話をしているところに、丁度やって来た子宮筋腫のおばあちゃま(80歳)も交えて、まりもさんと3人で、それぞれの近況を話した。
2人が帰った後、子宮筋腫のおばあちゃまのことを、しばし回想・・・。
この患者さんは、6月に病室をご一緒した患者さんで、こぶのまん前のベッドだった。
あまりにインパクトが強すぎて、日記には登場していただかなかったんだよね。
このおばあちゃま、ベッドの脇に尿瓶を常備していた。
もちろん、使うために・・・。
毎日、草木も寝静まった頃に、物音一つしない静かな病室にその音は響き渡る・・・。
ジョボボボ。
それもかなり頻繁に・・・。
おばあちゃまの隣のベッドの朝顔さんは、毎夜音と匂いに悩まされ続けた。
足腰は、しっかりとしている。
ただ、ただ面倒なんだってさ。
隣の病室にまで、音は聞こえていたらしい。
苦情が来た。
その都度看護師さんが、「抗癌剤治療をしている患者さんは、尿は匂いが強烈だからトイレで用をたしてください。」と、言ってくれていたけど・・・。
かなりマイペースな患者さんでした。
『懐かしいな。』
こんな思い出にふけっていたら、『かりんさんだ!』
かりんさん「こぶちゃん、久しぶり〜。」と、こぶに抱きついてきた。
こぶ「かりんさん、お久しぶりです。」
かりんさん「今日、まりもさんにこぶちゃんが来るって聞いて、待っていたのよ。こぶちゃん元気なの?」
こぶ「はい、1月のMRIで腫瘍が全部消えていたんですー。」
かりんさん「そうなの!良かったねぇ。心配していたのよ。」
こぶ「私、入院中ヨーグルトを毎日頂いていましたよね・・・。懐かしいな。」
かりんさん「こぶちゃん、食べられないって言うから、少しでも食べてもらいたくて・・。」
こぶ「本当に色々とお世話になりました。」
かりんさん「良いの良いの・・・。本当、こぶちゃんだけでも元気でいてくれて良かったぁ・・・。」
こぶ「こぶだけ?」
かりんさん「うん。カンナさん亡くなったから・・・。」
こぶ「えっ!いつ?」
かりんさん「その頃入院していた人に聞いたら、2月の始め頃で、夜中の2時頃に亡くなったって・・。」
こぶ「そうなんだ・・・。」
かりんさん「うん・・。あっ!こぶちゃん!まりもさんが言っていたんだけど、野菜さんや朝顔さんが、入院しているんだって。後で元気な姿見せに病室に行こうよ。」
こぶ「・・・うん。行く。」と、話していたら、丁度こぶの順番が来てもんち先生に呼ばれた。
かりんさんに「また後で〜。」と言ってから、診察に向かった。
もんち先生「こぶさん、待った?ごめんねぇ。どう?調子は?体重はどのくらい?」
こぶ「体重は・・。○○kg」
もんち先生「えっ○○kg?太ったねぇ。」と、ニッコリ。
こぶ「太ったって・・。そうだけど、先生だって会わないうちに太ったでしょ?」
もんち先生「俺?そうなんだよねー。痩せないとねぇ〜。」と、笑っていた。
それから、例のおできの経過報告をした。
こぶ「このおでき、拡張型肉芽腫って言うんだって、手術室で取って3針ほど縫ったよ。」
もんち先生「痛くなかったでしょ?」
こぶ「うん。」
もんち先生「どうしてできたんだろうね。」
こぶ「細胞を補修する能力が高すぎて、細胞が集まりすぎたためだって。」
もんち先生「へぇ。補修する能力ねぇ・・。
そういえばこぶさんは、入院中1度も口内炎とかになって、歯茎が腫れなかったもんね。」
こぶ「うん。でも、4月頃、高熱が出た。」
もんち先生「あーあれね。」と言いながら、カルテをめくっていた。
もんち先生「あっ書いてある。良く書いてあるなぁ。(←自分が書いたカルテに感心している)この時は、腫瘍が溶けてその腫瘍が大腸菌に感染して熱が出たから、腫瘍熱だね。」
こぶ「そうなの?その頃、色んな先生がお腹を切るだの切らないだの言ってて、訳が分らなかった。」
もんち先生「そういう時は、一番身近に居る人に聞いて。」
こぶ「うん。先生は『切らないし、気にしなくて良いよ』って言っていたから、気にしないようにはしていたけどね。」
もんち先生「結局切らなかったでしょ?」
こぶ「うん。」
もんち先生「他に何か聞きたいこととか、話したい事ない?」
こぶ「うーん?あっ!会いたい人に会えたんだよ。」
もんち先生「誰?」
こぶ「まりもさんとかりんさんと・・・。」
もんち先生「そうかー。ここの外来いいでしょ?」
こぶ「うん。」
次の外来は、5月の22日となり、
こぶ「1ヵ月後?」
もんち先生「うん。9月頃まではその方が良いと思う。」との事。
最後に、これから病棟に行く事を話すと、
もんち先生「今の時間なら、看護師も暇だし〜、どうぞどうぞ行ってらっしゃい。」と、送り出してくれた。
今回も20分ぐらい話をした。
かりんさんと婦人科病棟に遊びに行くと、看護師さん達は「こぶさん、髪の毛伸びたね!」と、喜んでくれた。
『嬉しい。』
しばらく看護師さん達と話をしてから、かりんさんと、野菜さんと朝顔さんの部屋に会いに行った。
2人は同じ病室にいた。
野菜さんと朝顔さん「こぶさん、久しぶり〜。
退院してから全然来てないでしょ?薄情ねぇ。」と、ニッコリ。
こぶ「すみません。」
かりんさん「こぶちゃん、髪の毛伸びたのよねぇ。」
野菜さんと朝顔さん「見せて、見せて!」と言われ、帽子を取ると、
野菜さんと朝顔さん「あら〜。すごいじゃない!
数ヶ月でここまで伸びるなんて優秀よ。」
こぶ「でも、髪の毛すごいグリグリで・・・。」
野菜さんと朝顔さん「う〜ん。みんな普通に生えてくるのに、珍しいね。でも、もっと伸びたら、ストレートになるかもよ・・・。」
こぶ「うん。」
野菜さんと朝顔さん「こぶさんだけでも、元気になってて良かった。
今年に入ってカンナさんが亡くなって・・・。少し心配していたのよ。」
こぶ「大丈夫!こぶは元気ですから。」
野菜さんと朝顔さんかりんさん「本当に元気になって良かったね。」としみじみと言われ、お互いの手を握り合った。
それから、野菜さんと朝顔さんに「こぶさん、また来てね。お話しましょ。」と言われ、病室を後にした。
かりんさんと、婦人科外来のある2Fの廊下を歩いていたら、もんち先生と産科の主任先生に会った。
もんち先生「こぶさん達、行って来たの?」
こぶ達「うん。」と答えている横で、産科の主任先生は、こぶを見てかなり驚いていた。
産科の主任先生「こぶさん!見違えたねぇ。」と、ニッコリ。
こぶ「髪の毛伸びたの。」と帽子を取って頭を見せると、びっくりしていた。
先生達と話した後、かりんさんとお別れして、1Fで会計を済ませてしゅうちゃんとお家に帰った。
お家に帰る車の中で・・・。
『1月31日にカンナさんと会って、話をした・・・。来月(今月)いないかも・・。っていってたんだよなぁ。』
それと、2月の始め頃の不思議な体験も思い出した。
そう。2月の始め・・。
カンナさんが亡くなったとされる週に、こぶはカンナさんから電話をもらった。と思う。
こぶ達夫婦が寝ていたら、
携帯電話が、ブルブルとしつこく震えていた。
こぶが寝ぼけながらも、「誰からだろう?」と携帯電話を取ると切れた。
時刻は、夜中の2時39分。
携帯の着信履歴は見なかったけど、携帯の窓の所が
こんな風に緑色にチカチカ光っていた。
だから、何の違和感もなく、また眠った。
次の日。
こぶはしゅうちゃんに、夜中に携帯がブルブルしていた事を話した。
しゅうちゃんは、「妻、そんな時間に電話来てないよ。
ブルブルなるようにもなってないし・・・。」
こぶ「えっ!そんなはずないよ。昨日ブルブル震えていたもん。
それにチカチカ光ってた・・・。」
その時なんでだか知らないけど、こぶの頭ににカンナさんの顔が・・・。胸騒ぎがしてた。
『もしかして・・。カンナさん・・・?』
今回かりんさんにカンナさんが亡くなった日や時間を聞いてこぶは確信した。
『あの電話はカンナさんだ!
亡くなる前に会いに来てくれたのかな?
カンナさんはこぶに会うといつも心配してくれてたんだ。』
そう思ったら、涙が溢れてきた。
車の中で、突然泣き出したこぶ。
気付いたしゅうちゃんは、何も言わずに優しく肩を抱いてくれた。
みんな元気になりますように・・・。。( ̄十 ̄)アーメン・・・
2005年5月23日(月) 『もんちろうという名前』
スミレさん
1ヶ月ぶりの外来。
予約は16時。
今回もしゅうちゃんに送ってもらった。
『しゅうちゃんありがとうね。』
病院について、1Fの受付で保険証と予約の確認をしてから、
2F奥にある婦人科外来にむかった。
菊さんに採血をしてもらって、いつも通りの長い待ち時間。
に、なるはずが・・・、採血が終わってすぐ、もんち先生に呼ばれた。
もんち先生「こぶさん、調子はどう?( ^・ェ・)ノ」
こぶ「良いよ。髪の毛伸びたし、今月から1日1万歩を目標にして歩いているんだ〜。」
もんち先生「へぇ。ウオーキング始めたの?d(>_・ )グッ」
こぶ「うん。」
もんち先生「こぶさん、そろそろMRI撮りたいんだけど・・・。」
こぶ「1月に撮ったのに?(・_・?)」
もんち先生「うん。1月のMRIで腫瘍が無くなっていたけど、一応心配だからねぇ。
6月15日の14時30分に空いているからその日で良いかな?
この日しか空いていないんだよねぇ。」
こぶ「ふ〜ん・・・。14時なら、朝食は食べて良いよね。」
もんち先生「そうだね。時間的にOKだね。こぶさん、どう?何か変わった事は?( ・_・)σ」
こぶ「変わった事は・・。ゴ-ルデンウィークに主人の実家に帰省して、お墓参りしてきたの。」
もんち先生「へぇ。墓参りかぁ。」
こぶ「うん。そこで気付いたんだけどね、ご先祖様が代々『もんちろう』さんなのよ。」
もんち先生「え!そうなの? (`□´/)/ ナニィィイイイ!!」
こぶ「うん。昔から商売人のお家で、代々同じ名前を継いできたんだって。」
もんち先生「へぇ・・・。今までの人生で僕と同じ名前の人は1人しか知らないんだよねぇ。」
こぶ「そうなの?」
もんち先生「そう。『橘もんちろう君』て言うんだけど、僕の実家(産婦人科)で生まれた子でね。
ご両親がウチの産院で生んで良かったから、
『息子さん(もんち先生のこと)の名前を下さい 八(^□^*) タノム!!』
ってウチの両親に言ってね・・。僕は『えっ!』って思ったんだけどね〜。
今その子は、小学生かな。」
こぶ「へぇ。」
もんち先生「小学校の時は大変だったんだよ。いじめと言うか、からかわれて嫌いだった。
大学に入ってからかなぁ。名前が好きになったの。
珍しいからすぐ名前と顔を覚えてもらえるからね。
でも、小学生の時はキツかったなぁ。
だから今、橘もんちろう君がいじめられていなければ良いけど・・・。」
こぶ「そうなんだ。患者さん達の間で人気があるんだよ。先生の名前。」
もんち先生「そうなの?」
こぶ「うん。温泉さんや野菜さんや桔梗さんやゆずさんもそうだけど、
特に萩さんがね、『もんちろうって名前良いよね。
気に入っているんだぁ。(*^・^)』って良く言ってたんだよ。」
もんち先生「へぇ。知らなかった。(笑)」
こぶ「先生の名前かっこいいよね。」
もんち先生「そう?かっこいいかぁ〜。それはそうと、こぶさん体重は?」
こぶ「体重は太ったから言いたくない。」
もんち先生「良いじゃん。○○kgぐらい?」
こぶ「そんなにないよ!」
もんち先生「じゃぁ、○○.5kgって事で・・・。」
こぶ「先生体重当てるの上手いね。(笑)」
もんち先生「ハハ(*^▽^*) 他に聞きたい事ない?」
こぶ「聞きたい事ねぇ。・・・基礎体温のグラフも生理も順調だし・・・。」
もんち先生「生理いつ来た?」と聞かれて答えると、
もんち先生「順調だね。」と、にっこり。
こぶ「うん。・・・去年の今頃入院していたとは思えないよね。」
もんち先生「そうだね。入院していたんだよねぇ〜。
(ーー;).。oO(想像中)」
こぶ「うん。Gウィークも入院していて、先生に無理なの分っていたのに、「外出たい」ってわがままを言っていたよね。」
もんち先生「そうだね。覚えているけどあれは、しょうがないね。」
こぶ「あの頃は精神的に、しんどかったんだよねぇ。
『がんばって』って励ましてくれる患者さん達は、お薬が1日目しか入らなくてさ、
それはそれでもちろん辛い治療だって分っていたんだけどね・・・。
こぶの方が辛い治療のような気がして・・。
結構孤独で落ち込んでいたんだよねぇ。」
もんち先生「それは、そうだろうね。」
こぶ「でもね、先生が毎日病室に来てくれて、『がんばって!』って言ってくれたから。励みになったんだよ。
先生は副作用がキツイのを知ってて言ってくれるからね。
『他の先生だったらどうだったかな?』って思う。
あの頃書いていたノート見たら本当に良く来てるよね。」
もんち先生「ノート見れるよになったって事は良い事だよ。普通は見たくないでしょ?」
こぶ「そうだけど、ノート見てると、良くやったって思う・・・。
先生何で私の担当になったの?医局の役回り?」
もんち先生「違うよ。産婦人科って色んな病気があるでしょ?
普通の胞状奇胎ならともかく、こぶさんの場合は、抗癌剤を使って腫瘍を小さくするから、
腫瘍と抗癌剤のスペシャリストで心のケアも出来る人じゃないとね。
女性の先生が良いんじゃないかって言う意見も出たんだけどね。
教授に僕の方からね・・。」
こぶ「それで先生が?」
もんち先生「そっ。タコ先生とね。」
こぶ「そうか〜。」
もんち先生「まさか、ご先祖様と同じ名前とはね。(;^ω^A テレテレ」
こぶ「ねぇ〜。びっくり。主人や主人の両親は知ってたから、何か先生に縁を感じていたみたい。」
なんて話していたら、
もんち先生の後ろを通りかかった菊さんが、
「先生、こぶさん髪の毛伸びたよねぇ。」と声を掛けてきた。
こぶ「あっ!髪の毛見せるの忘れていた!先生見て見て、すごいでしょ?」
もんち先生「(笑)すごいね・・・。髪の毛のグリグリが落ち着くのに3ヶ月は掛かったんじゃない?
そうだ!今日婦人科病棟に行って来たら?あっ師長休みだった・・・。」
こぶ「知ってる人いる?」
もんち先生「いないなぁ。だいぶ変わったからねぇ。
でも、たまには行ってあげてね。」
こぶ「うん。」と話した。
今回も雑談で診察は終了した。
次回は、6月27日になった。
で、診察室を出ようとしたら、
もんち先生が「こぶさん、子作りは、1〜2年空けるのも良いよ。」と、声を掛けてきた。
こぶ「そのつもり〜。(´・ω・)ノ」
もんち先生「もし作るなら、特殊外来がある水曜日の午前中に・・。」
こぶ「不妊治療?」
もんち先生「そこまでしないよ。ただ、『この日が良い』って断言してねっ!」
こぶ「そこまでは、恥ずかしいし良いや。」と話す。
診察室を出る時に、もんち先生が、こぶを見ていた。
『何か変なの?(・_・?)』
待合室には、スミレさんが来ていた。
スミレさん「あっ!こぶさん、久しぶり〜。」
こぶ「スミレさん、こんにちは。」
スミレさん「今日は、この前検査した結果を聞きに来たのよ。」
こぶ「そうなんだ・・。」
スミレさん「うん。マーカーは上がるんだけど、肝心の腫瘍が見つからないのよねぇ・・。
こぶさん、側にいてくれる?」
こぶ「うん。」と返事して10分ぐらい話した後、
スミレさん「こぶさん、今度紫陽花(あじさい)の写真見せてあげるね。」と、ニッコリして診察室に向かっていった。
16時に病院に着たのに今回も会計が17時30分を越えてしまった・・・。
でも、沢山お話できて嬉しい!
帰りの車で、しゅうちゃんに、スミレさんと会った事や、もんち先生の名前について話した。
しゅうちゃん「妻がかわいそうで、先祖が守ってくれたのかなぁ。」
こぶ「きっとそうだよ。じゃなきゃ男の先生で独身のもんち先生が担当になるなんて考えられないね。」
しゅうちゃん「そうか〜。」と、話して帰った。