2004年7月18日(日) 『腹腔鏡下手術』
やさいさん
萩さん
朝の検温で熱が37.2度あった。
看護師さん「こぶさん、微熱があるね。」
こぶ「あとで氷枕お願いします。」と頼んだ。
6時30分頃、抗生剤2本と水分点滴500mlはパッチリ先生がつないでくれた。
つないでくれてる時に点滴のルートを見ながら
パッチリ先生、「こぶさん、良い所にルート取ってもらったね。ナンちゃん先生?」
こぶ「ううん。のっぽ先生。」
パッチリ先生「へぇ。良かったね。いい血管に入れてもらったね。」
こぶ「うん。1回で入れてくれたの。」とニッコリ。
7時頃、抗生剤2本が終わり、T字型の連結管(3カ所のルートがあり、コックを動かすことで液体の流れを変えられる。)からはずしてもらった。
朝食にごはん少々、梅干半分、サプリメントをたくさん、フェログラ2錠を飲んだ。
8時頃、ナンちゃん先生が「こぶさん、おはよう。どう調子は?」
こぶ「熱が37.2度あるし、お腹も痛くて今朝出血していた。」
ナンちゃん先生「そうかー。抗生剤をかなりヘビーなやつに変えたから効くと思うよ。16日(こぶが病院に電話した日)に来れば良かったのに・・。」
こぶ「だって、家に帰って4日で戻るのいやだったんだもん。」
ナンちゃん先生「もんち先生が16日の朝、『こぶさん、そろそろ戻って来るかも』って言ってだんだよねー。
そしたら夕方、こぶさんから電話が来て・・。」とニッコリ。
こぶ「もんち先生の予想が当たったね。当たらなくていいのにー。当たらなきゃ8月1日まで家にいれたのにー。」と、2人で笑った。
ナンちゃん先生「笑ったね!良かった元気じゃん。また来るねー。」と病室を出て行った。
10時頃、おせんべいと4時間おきのサプリメントを飲んだ。
やさいさんは、白血球が下がって個室に隔離されてしまった。
萩さんと2人で「寂しいね。扉が開いてカーテンになったら遊びに行こうね。」と話をした。
昼食に、ご飯、おかず少々、サプリメントをたくさん飲んだ。
13時頃、水分点滴がなくなって看護師さんに代えてもらう。
14時頃、なんとなくお腹が空いて売店に買い物に行こうと財布を持って歩いていたら、
仲の良い看護師さんに「こぶさん、顔色悪いのに何処行くの?」
こぶ「あまり食べれないから、パン買いに行くの?」
看護師さん「ご主人来ないの?」
こぶ「うん。」
看護師「そうかー。気を付けてね。」と心配そうに見送ってくれた。
16時頃、ナンちゃん先生が来て「こぶさん、昨日の採血でCRP退院した時より上がったね。この分だと7日は入院かな。
・・・それと、こぶさんが今回も緊急で戻って来た事で、先生達のあいだで、 腹腔鏡下手術の話が出ているよ。(おへその下と、左右の下腹部を切り、お腹に
炭酸ガスを送り込んで膨らませた上で、おへその下から鏡を入れて、左右から機材を操作するなどして行うもの。)こぶさんつらそうだからねぇ・・。」など、色々話をして病室を出て行った。
『体力も髪もなくなったし、今したくないなー。しゅうちゃんに電話しよう。』
17時頃、しゅうちゃんに電話で、腹空鏡手術について言うと、
しゅうちゃん「もんち先生が言った訳じゃないし・・。今更しないでしょ?気にしないでいいよ。」と言われ、『それもそうだな』と、あっさりうなずく。
しゅうちゃん「それはそうと、8月1日に引っ越す事にしたから、先生に言っておいてね。」
こぶ「明日ね。」と答えた。
夕食に、ご飯・とおかず少々、サプリメントをたくさんとフェログラ2錠を飲んだ。
18時頃、冷や汗が出るほどお腹が痛くなってトイレに行くと、案の定出血していた。
トイレから戻る時、痛くて廊下の手すりしがみつきながら病室に戻った。
萩さん「こぶさん、顔色悪いね。大丈夫?」と心配して見に来てくれた。
18時20分頃、ミニゼリー1個とロキソニン1錠を飲んでベッドでじっとしていた。
19時頃、抗生剤2本を看護師さんがつないでくれた。
19時30分頃、、抗生剤2本が終わったのでT字型の連結管からはずしてもらった。
20時20分頃、お菓子とサプリメントをたくさん飲んだ。
24時間点滴の真っ最中なだけに、夜中でもトイレに何回も行く。
『トイレに起こされて、寝た気がしない。』
2004年7月19日(月) 『はげ、励ます』
ききょうさん
ききょうさん
のご主人
萩さん
温泉さん
6時頃、トイレに行くと、尿が白っぽくてびっくりした。
『サプリメントをいっぱい飲んでいるのに、出血しているから量が足りないのかな?』
朝の検温のあと採血2本、抗生剤2本、水分点滴500mlをパッチリ先生にしてもらった。
こぶ「熱が37.1度になった。」
パッチリ先生「良かったね。もう少しの辛抱だからね。」とニッコリしてくれた。
7時頃、抗生剤の点滴が終わったので看護師さんにはずしたもらった。
朝食に、バナナとサプリメントをたくさんとフェログラ2錠を飲んだ。
8時頃、ナンちゃん先生が「こぶさん、おはよう。」
こぶ「おはようございます。ねぇ先生、24時間点滴はいつまでするの?」
ナンちゃん先生「熱が36度台になって、お腹とお尻の痛みが取れたらね。」
こぶ「トイレが近くて眠れない・・。」
ナンちゃん先生「そうだよねー。でも、脱水症状になるからがまんして・・。また来るからね。」
今日は祭日(海の日)で教授回診はなし。
9時頃、もんち先生が「こぶさーん。おはよう。」
こぶ「アッ、先生。おはようございます。先生に話があるんだけど今いい?」
もんち先生「なになに?」
こぶ「8月1日に引っ越すことになったから、入院日をずらしてもいい?」
もんち先生「いいよ。体は大丈夫なの?」
こぶ「うん。全部引越し屋さんにしてもらうから。」
もんち先生「そっか。入院する日が決まったら教えてね。」
こぶ「うん。今日中に決めるね。」と、話した。
もんち先生は、萩さんとも話をして病室を出て行った。
10時頃、ききょうさんがこぶの病室に入院して来た。
ききょうさん「こぶさん、久しぶり。元気にしてた?」
こぶ「それが、退院して5日で戻って来ちゃった!((^┰^))ゞ」
ききょうさん「こぶさんも大変なんだ。あとで話そうね。」と看護師さんに付き添われて病室を出て行った。
ききょうさんが出て行ったあと、
ききょうさんのご主人が「こぶさん、最近、あいつ気持ちが下降気味でさー。励ましてやってくれないかなぁ。」と、色々話を聞いた。
『ききょうさんが戻って来たらまずは、お孫さんの話をしよう。それから・・。』と、色々考えていた。
10時30分頃、病室に戻って来たききょうさんと萩さんと3人でお菓子を食べながら、お孫さんの話をした。
ききょうさん「最近、孫が補助つきの自転車に乗れるようになってね。わざわざ車に自転車を乗せて、『ばあば見て見て』って来るのよ。」
こぶ・萩さん「わざわざ来るなんてかわいいですね。」
ききょうさん「かわいいけど、毎週来られると疲れるわねー。」と、とってもうれしそうにお孫さんの話をしてくれた。
『ききょうさん、少しだけ元気になったみたい!良かった!』
11時頃、水分点滴500mlがなくなり、点滴を看護師さんにかえてもらった。
昼食に、おにぎり1個とサプリメントをたくさん飲んだ。
15時頃、しゅうちゃんがお見舞いに来てくれた。
2人でゆっくりと話がしたかったから、外来棟の2階の待合室まで歩いて行った。
自販機でジュースを買って、今日のこぶの体調や引っ越す日のことなどなどたくさん話をした。
話をしていたら、レモン先生がニヤニヤしながら通り過ぎて行った。
16時頃、雨が降ってきて、しゅうちゃんはお家にご帰還。
「婦人科まで、(こぶを)配送してあげる。」という優しいしゅうちゃんに、「今日はいいよ。」と、エレベーターの前で別れた。
こぶは1人で婦人科病棟にエレベーターに乗って戻った。
戻った途端、
レモン先生に、「こぶさん、ご主人と密会してたねー。」
看護師さんに「デートは楽しかった?」とからかわれた。
こぶ「楽しかった!外来棟は冷房がきいていて寒いけど、たまにはいいね。」とニッコリ。
レモン先生・看護師さん「気分転換になって良かったね。」と話をした。
一旦病室に戻って、タオルを手に持ってトイレに向かって歩いていたら、前方に記録室から出てきたもんち先生を発見。
ちょっと距離があったけど、「もんち先生ー。」と、声を掛けると、
気付いた先生が笑顔で軽快にターンを決め、
「こぶさん、引っ越す日決まった?」
こぶが歩きながら、「8月1日に決まったんだけど、どう?」と、言うと、
もんち先生「記録室のカレンダー(カレンダーに患者さんたちの入院の予定が書いてある。)見ないと ・・・。」
こぶ「そっか。」と話しながら、記録室に向かった。
こぶの歩くスピードが亀のように遅いから、こぶが記録室に着いた時にはすでにもんち先生は壁のレンダーを凝視していた。
先生のいる北側の入口からは、モニターに映し出されている温泉さんが目に入る。
苦しそうに顔をゆがめて掛け布団の上からベルトで固定されて身動きすらできない。
そんな温泉さんを見るのはつらい。
こぶからモニターが見えないように、もんち先生と反対側の南側の入口に行くことにした。
もんち先生「8月8日が空いているよ。」
こぶ、「先生こっちに来ちゃった・・。」
もんち先生「そっちに行ったの?」とこぶの所に来てくれたんだけど、こぶは、こぶで、
『こっち側からだと、カレンダーが見ずらいかも。』と思って、またはじめにいた北側の入口に移動していた。
2人でお互いのいる方向に移動したから、すれ違いになってもんち先生・こぶ「あれ?」とお互いを振り返る。
この行動をじっと見ていた看護師さんに「2人とも追いかけっこしていて楽しそう。」と言われて、もんち先生もこぶも苦笑い。
結局、モニターが見えない南側の入り口で今度の入院について話をした。
今度の入院日を、8月8日にしてもらった。
『もんち先生わがまま言ってすみません!』
ついでに、水分点滴500mlも看護師さんにかえてもらった。
夕食に、ご飯少々とバナナ、サプリメントをたくさん、フェログラ2錠を飲んだ。
18時頃、抗生剤2本をパッチリ先生につないでもらった。
パッチリ先生「こぶさん、ご飯食べてる?」
こぶ「あんまり・・。」
パッチリ先生「こぶさんが痩せると、ナンちゃん先生やもんち先生が心配するから食べないと・・。」といわれた。
『分かっているんだけど・・。気持ち悪いし、味覚音痴が進んで味がわけわかんないことになってるし・・。』
18時40分頃、抗生剤の点滴が終わり看護師さんにはずしたもらった。
看護師さんが帰ったあと、萩さん、ききょうさんと話をして過ごした。
20時30分頃、パン1口と4時間おきのサプリメントを飲んだ。
『明日も熱が出なければ良いな。』
24時頃、トイレで起きた。
トイレで、用をたして手を洗っていたら、
「ウーッ。ウーッ。」と、搾り出すような・・・
聞き覚えのあるうめき声が聞こえてきた。
『温泉さん・・・・・・・・。』
こぶは、ベッドに戻っても、聞こえてくる温泉さんの苦しそうな声に、
『温泉さん、の苦しみが少しでも、楽になりますように』
と神様にお祈りした。
2004年7月20日(火) 『寂しい大部屋』
ききょうさん
萩さん
5時40分頃、ちょうど起床時間の20分前に、お腹が痛くて起きた。
下腹部に大量に出血している気配を感じて、痛みでプルプル震える足でトイレに向った。
どうにかトイレで便座に座って出血していたナプキンをかえた。
お腹の痛みに堪えながらなんとかベッドに戻って、ミニゼリー1個とロキソニンを飲んだ。
しばらくして、検温に来た看護師さんにさっきお腹が痛くなってロキソニンを飲んだ事を伝えると、
「こぶさん、朝から大変だったね。今は大丈夫なの?」と聞いてくれた。
朝の検温のあと、看護師さんに抗生剤2本をつないでもらったんだけど、点滴の落ちが悪くて抜かれてしまった。
『今日は朝から、ついてないな。』
6時30分頃、ナンちゃん先生が、病室の患者さんの採血をしに来た。
ナンちゃん先生「こぶさん、点滴の差し替えは僕がやるから待っててね。」と先に萩さんの採血を始めた。
順番を待っているこぶの所に、
パッチリ先生が「こぶさん、点滴つなげに来たよ。」とやってきた。
こぶがナンちゃん先生を横目でチラッと見ると、ニッコリしていたので、
こぶ「お願いします。」とパッチリ先生にお願いした。
こぶの血管は、たびかさなる抗がん剤投与のおかげで、硬く、もろくなっている。
パッチリ先生は丈夫な血管(ルート)を探すのに苦戦していた。
ナンちゃん先生は、萩さんの採血が終わって病室を出て行く時、笑顔でガッポーズをしてくれた。
パッチリ先生に使えそうな血管を探してもらって、なんと2回目で(最近は3〜4回失敗されるのに。(泣))つなげてくれた。
抗生剤2本と・水分点滴500ml。
『パッチリ先生はルート取るの上手いなー。』
7時30分頃、抗生剤の点滴が終わり看護師さんにはずしたもらった。
朝食に、ミニオムレツと食パン半分、サプリメントをたくさんとフェログラ2錠を飲んだ。
食事をしながら、今日退院の萩さんが、「ききょうさんとこぶさん、9月まで治療ならまた会えるわよね。」
ききょうさん・こぶ「会えますよきっと。」
萩さん「それまで、がんばってね!」と励ましてくれた。
3人で話をしている時、こぶの顔見知りの患者さんがこぶの病室の前を通った。
「こぶさん、おはよう。昨日の夜温泉さんすごかったねぇ。
夜中は入り口の扉閉めて欲しいよね・・。」
こぶは返す言葉がみあたらず、無言・・。
萩さん「そんなの、こぶさんに言うことじゃないじゃない。
看護師さんに直接言えばいいじゃないの。」
ききょうさん「うなり声のことなんか、かわざわざ言わなくてもねぇ。」
こぶ「みんな気付いていても言わないのに・・。」
萩さん「そうよねぇ。苦しんでいるの分かっているんだからねぇ・・。」
さっきまで、楽しく話をしていたのがうそのように病室が静まり返ってしまった。
いたたまれなくなったのか、顔見知りの患者さんは自分の病室に帰って行った。
こぶ「萩さん、今日の気温30度越えるんだって、ここにいると分かんないけど外暑そう。」と話題を変えた。
萩さん「ムシムシした中帰るのいやだねぇ。」
ききょうさん「今日もいれば?」
萩さん「いたら、もんち先生に怒られちゃうじゃない。」
今日の天気や主治医の話をして気を紛らわした。
9時頃、お腹の痛みが引いて何となくヒマになったから、デイルームに本を借りに行った。
どのジャンルの本を読もうかと物色していた時、「看護婦こぶ」という本がこぶの目に入った。
こぶと同じ名字の本に縁を感じ、興味があった訳じゃないけど借りて読んでみる事にした。
息抜き用に、室井滋さんの「むかつくぜ!」と「おたんこナース」(漫画本)も借りた。
10時頃、萩さんは「またね。」と言って退院して行った。
10時30分ごろ、水分点滴がなくなり、看護師さんに取りかえてもらった。
昼食に、ききょうさんがくれたどんべえミニとサプリメントをたくさん飲んだ。
ききょうさん「こぶさん、食べられて良かった。」
こぶ「おいしかったです。ごちそうさまでした。」と、お礼をした。
萩さんが退院したので、この病室にはこぶとききょうさんしかいなくなった。
ききょうさん「2人しかいないけど、楽しく過ごそうね。」
こぶ「そうですね。」と会話。
14時30分頃、もんち先生が「こぶさーん。寝てる?12日のMRIなんだけど・・。」と、寝ているこぶに話掛けてきた。
こぶ「ん?MRI?」完全に寝ぼけているこぶに、
もんち先生「そう。7月1日に10cmあった腫瘍が5cmになっていたよ。良かったね。」
こぶ「5cmかー。小さくなってきたねぇ。」
もんち先生が「これで、つらい治療もがんばれるね!」とニッコリ。
こぶ「うん。そうそう、今朝、お腹痛くてロキソニン飲んだ。」
もんち先生「そうなんだ。でも、CRP下がったし、1週間で退院出来そうだね。」
こぶ「だといいな。」というこぶの横で、
もんち先生は、「看護婦こぶ」の本をパラパラめくり、「これ面白い?」と聞いてきた。
こぶ「同じ名字の本だから持って来ただけで、まだ読んでない。」と言うと、
もんち先生は、(笑いのつぼに入ったらしく、)顔をくしゃくしゃにして笑っていた。
こぶ「そんなに笑わなくてもいいじゃん。」とつっこむ。
こぶとの、話を終えもんち先生が病室を出て行ったあと、
ききょうさんに、「こぶさんと先生の会話は面白いね。聞いてて笑っちゃう。」
こぶ「もんち先生、絶対笑い上戸ですよね。」と、話をした。
16時頃、パン1口と4時間おきのサプリメントを飲んだ。
16時30分頃、ベッドでゴロゴロしながら、「看護婦こぶ」を読んだ。
(感想:この看護師さんには歯がゆさを感じる。)
点滴の落ちを見に来た看護師さんにも「こぶさん、この本面白い?」と聞かれ、
こぶ「全然・・・。『そうじゃないだろう!!』、みたいなことばっかりで、もどかしさを感じるかも。」
看護師さん「これ(『むかつくぜ!』)は?」
こぶ「これは、面白い。笑えるよ。」
看護師さん「次、貸して。」
こぶ「いいよ。」
この看護師さんは、こぶが読んだあとに読むことが多い。
2人とも、似たような感想が出てくるから話していてとても楽しい。
17時頃、主任先生が回診で病室に来た。
主任先生「こぶさん、どう?調子。」
こぶ「朝、出血してロキソニン飲んだけど、今は出血もなくて元気。」
主任先生「良かったね。こぶさん、ちょっといい?」と
こぶの両目をあかんべして、
「貧血も改善されたみたいだね。」と、ニッコリしてくれた。
その後、ききょうさんを含め3人で話をした。
『久しぶりにたくさん話が出来て楽しかった!』
夕食に、ごはん少々とサプリメントをたくさん、フェログラ2錠を飲んだ。
食事中に、タコ先生が病室に来て、
「こぶさん今いいかな?どう、調子は。」
こぶ「朝、ロキソニン飲んだけど、今は元気です。」
タコ先生「それは良かったね。12日のMRIを、学会から帰って来たばかりでまだ見てないんだけど、もんち先生から聞いてる?」
こぶ「はい。腫瘍のサイズ5cm・・。」
タコ先生「それはすごいね。良かったじゃない。」とニッコリして、病室を出て行った。
『わざわざこぶに会いに来てくれたらしい・・。珍しいな。』
今日はいろんな先生が来て忙しかったけど、ナンちゃん先生は朝見かけただけだ。
初めてかも。こんなに会わないの。
19時頃、抗生剤2本を看護師さんにつないでもらった。
19時30分ごろ、しゅうちゃんに電話をした。
『やっぱり、1日1回は声が聞きたい。ウフッ。』
電話の帰りに記録室に寄って、看護師さんに抗生剤をはずしてもらった。ついでに水分点滴も取りかえてもらった。
そのあと就寝までの間、ききょうさんとご主人の話や旅行の話をして過ごした。
今日も夜中の何時か分からないけど、温泉さんのうなり声が、病棟中に響きわたっていた。
『神様・・。』お祈りした。
2004年7月21日(水) 『こぶよりは、まし』
かんなさん
栗さん
小麦さん
ききょうさん
検温のあと、hCG、CRPなどを調べるための採血が4本あり、ナンちゃん先生にしてもらった。
ナンちゃん先生「こぶさん、パッチリ先生に良い所にルートとってもらったね。まだ左手でルート取れるんだね。
ここなら、1週間はもつんじゃない?」
こぶ「寝ていても邪魔にならない所だから、”もつ”といいな。」
採血のあと、シャワーを浴びた。
シャワーの準備を看護師さんにして貰った。
まず、水分点滴をはずして点滴の管に水がかからないように管を輪ゴムで束ねて、ガーゼで覆った。
さらにその上から、防水テープをぐるぐる巻きにされた。
シャワーのあと、水分点滴と抗生剤2本もつなげてもらった。
7時頃、抗生剤2本が終わり、看護師さんにT字型の連結管(3カ所のルートがあって、コックを動かすことで液体の流れを変えられる。)からはずしてもらった。
朝食に、食パン1枚とサプリメントをたくさんとフェログラ2錠を飲んだ。
10時頃、デイルームに昨日借りた本を返しに行った。
ついでに、養老猛司著 「まともな人」と「おたんこナース」2〜4巻を借りた。
その帰りに、入院して来たかんなさんに会った。
こぶ「かんなさ〜ん、久しぶり〜。」
かんなさん「こぶさん、元気にしてた〜?私、明日から治療なの〜。」
こぶ「退院して5日で熱が出て戻って来ちゃった。」
かんなさん「また〜?よく戻って来るねぇ。大丈夫なの?」
こぶ「何とかね。」と、苦笑いするこぶを見ていたかんなさんが、
「こぶさん・・。気付いてる?髪の毛生えてきてるよ。」
こぶ「ここのところ、頭がチクチクしてかゆかったのは、髪の毛が生えてくる前兆だったんだ・・。」
かんなさん「バンダナからチクチクと短い髪がはみ出ているよ。」
こぶは、かぶっていたバンダナを取って、自分の頭を恐る恐る撫でてみた・・。
『おお!!チクチクする・・。(・0・*)ゞ』
こぶ「朝、顔洗った時は、気付かなかったけど、生えてるね・・。」
ちょっと冷静な反応を装ってみた。
かんなさんと話をしたあと、借りた本を片手に急いで共同の流し台に行って鏡の前でバンダナを取って頭を見た。
「おおっ!」
『すげー。生えてる・・。』そう思ったら、
うれしくなって鏡の前を動けなくなった。
しばらく立ち尽くしていたんだけど、水分点滴がなくなった事で我に返って、本を持って記録室に寄った。
点滴を交換してくれた看護師さんに、
こぶ、「髪生えてきた。」と、言うと、
看護師さん「本当だ!かわいい。」と、頭を撫でてくれた。
点滴の交換を終え、ききょうさんとお菓子や4時間おきのサプリメントを飲みながら話をしていると、来週手術をする栗さんと4人部屋から小麦さんが移って来た。
2人とも誰に聞かれたというわけでも無いのに、自分の病気について話し始めた。
来週手術をする栗さんは乳がんの患者さんで、入院している患者さんの中で比較的若いこぶに興味を持ったらしく、
「こぶさんは、何の病気で抗がん剤治療をしているの?結婚しているの?お子さんは?」と、次々と質問してきた。
こぶ「結婚しています。子供はいません・・。」と話していたら、ききょうさんが、話をそらして別の話をしてくれた。
11時頃、またも点滴の落ちが悪くなったので看護師さんに針を抜かれてしまった。
しばらくして、パッチリ先生が来てくれた。
「こぶさん、針抜いてんだって?」
こぶ「うん。落ち悪くてね。」
パッチリ先生「左腕でルート取る?」
こぶ「左腕は無理だろうから右腕でお願いします。」
パッチリ先生は右腕の血管を探すのに苦戦していたけど、1回でつなげてくれた。
『先生お疲れ様でした。』
昼食に、カレーライスとサプリメントをたくさん飲んだ。
ききょうさんは、ウイークリー(1週間に1度、1泊入院で治療)なので、今日治療が終わったら帰る。
ききょうさん「こぶさん、私、点滴が16時過ぎに終わるから17時頃帰ろうかな。」
こぶ「夕食食べて行かないの?」
ききょうさん「そうね。でも、家でそうめんとかお豆腐とかさっぱりしたのを食べようかな。」
こぶ「(病院食は)こってりしたおかずが多いからねぇ。」と、最近のおかずについて話した。
14時20分頃、お菓子と4時間おきのサプリメントを飲んだ。
病室の患者さん3人と話をしていた時もんち先生が病室に来て、今日の採血結果のプリントをくれた。
こぶ「hCG1.1かぁ。少し下がったね。」
もんち先生「良かったね。」と、ニッコリする先生に、
こぶ「先生、みてみて!髪の毛はえたんだよ。」
もんち先生「すごいねー。なんでだろう?
・・・治療中は生えないはずなのに・・・。
また治療したら抜けるよ。」としばらくこぶの頭をじろじろ見て
「ここ生えていないよ。」と、右の後頭部を指差して、
「何で生えたんだ?わかんないなー?」を連発。
こぶ「わからなくていいの!生えたのがうれしくて見せているだけなんだから。」と言うこぶを、もんち先生は不思議そうに見つめていた。
先生が病室を出て行ったあと、
ききょうさんに「こぶさん、髪生えて良かったね。」
こぶ「うん。でもまた抜けるんだよねー。ハゲ始めたころききょうさんに励ましてもらってうれしかった・・・。」
ききょうさん「お互い様よ。あの時心無い人が入院していたからねぇ。」と、その当時の話をした。
2人の会話を聞いていた、栗さんと小麦さんが、
「そんな事言うなんて・・。」と、驚いていた。
17時頃、ききょうさんは迎えに来たご主人と退院して行った。
17時30分頃、夕食を買いに、売店に行く途中で助教授に会った。
助教授「やあ!こぶさん!順調な様で良かったねー。確実に治るからね。」
こぶ「髪の毛生えてきたんですよ。」と、バンダナを取って頭を見せた。
助教授「赤ちゃんの頭みたいにふさふさだね。」と、ニコニコしている助教授に
こぶ「いつも気にかけてくれてありがとうございます。」と、言うと
助教授はニッコリしてくれた。
夕食に、メロンパン半分とサプリメントをたくさんとフェログラ2錠を飲んだ。
19時頃、看護師さんに抗生剤2本をつないでもらった。
19時30分頃、抗生剤が終わりT字型の連結管からはずしてもらった。
はずしてくれた看護師さんにも、
こぶ「見て見て!髪の毛生えたの。」
看護師さん「すごいね!」
こぶ「でも、この辺はえていないんだって。」と、もんち先生に指摘された所を指差すと、
看護師さん「確かに生えてないけど、こぶさんの見えないところじゃない?誰かに言われたの?」
こぶ「もんち先生。」
看護師さん「もんち先生、こまかいなー。」と笑って話をした。
それから、20時30分頃まで、栗さん、小麦さんと話して過ごした。
栗さんはこぶの病気が気になるらしく、しつこく聞いてきた。
自分が話したんだから「次はこぶさんの番」としつこい。
しようがないから、栗さんに「胞状奇胎って知っています?」と聞くと、栗さん「聞いた事ある。ぶどうっ子とか言うよね?美智子様が・・。」
こぶ「そうそう。そのぶどうっ子から、絨毛がんになったんです。」
栗さん「そうなの?ぶどうっ子って、赤ちゃんがなる病気じゃなかったっけ?」
こぶ「赤ちゃんがっていうより・・。細胞の異常繁殖・・。」と、胞状奇胎と絨毛がんについて説明。
説明を聞き終えた時、小麦さんが突然泣き出し、
「ごめんなさい。つらい事聞いて・・。」
栗さん「こぶさんの話を聞いてたら、世の中私よりつらい思いしている人がいるんだなって、私はこぶさんより、ましなんだなって思ったら手術する恐怖が無くなって、『やるぞ』って、勇気が湧いてきたわよ!」と、鼻の穴をふくらませ、興奮している。
こぶよりましって・・。
今までも何度か言われた事ある言葉だけど、笑顔で言われたのは初めてで一瞬頭が真っ白になったけど、
『手術する勇気が湧いたならいいか・・。』
こぶ「手術がんばって下さい。」と、栗さんを励ました。
その後、しゅうちゃんに電話した。
しゅうちゃんに、栗さんに笑顔でこぶよりましって言われた事を話した。
話ていたら、だんだん悲しくなってきた。
『自分で病気の事を詳しく話したくせに、落ち込むなんてこぶってバカだな。』
2004年7月22日(木) 『血管ボロボロ』
栗さん
小麦さん
朝の検温で熱が36.7度だった。
熱はないけど、頭がズキズキして痛いから看護師さんに頼んで氷枕をもらった。
6時30分頃、水分点滴500mlと抗生剤2本はナンちゃん先生につなげてもらった。
昨日差し替えたばかりなのに点滴の落ちが悪い・・。
ナンちゃん先生「おかしいね。」と、チビ注射器で、血が逆流するのかを確認してから、点滴を流している管をはさみのような物でこすった。(管をこする事で、摩擦が生じ流れが復活する事もあるらしい。)
すると、点滴の落ちが復活してそのままつなげてもらうことができた。
ナンちゃん先生の「明日までは、このルートじゃもたないと思うよ。」の言葉に、こぶガックリ。
『また、痛い思いするのかなぁ。嫌だな。』
7時頃、抗生剤2本が終わったので、看護師さんにT字型の連結管からはずしてもらった。
朝食に、ロールパン1個とサプリメントをたくさん、フェログラ2錠を飲んだ。
8時30分頃、もんち先生が病室に来て、
「こぶさん、退院なんだけどいつにする?」
こぶ「主人に聞かないと、いけないから夕方までに返事します。」と答えた後、これから腹腔鏡下手術をするつもりがあるのかどうかを聞いてみた。
もんち先生「腹腔鏡での手術は、・・・腫瘍がぐずぐずに溶けてきているから今はできないよ。切開も同じ理由で無理だね。
ぐずぐずの腫瘍を取る時に、万が一つぶしてしまったらがん細胞がお腹全体に広がる可能性があるからね。
手術に関しては考えなくていいよ。」
こぶ「考えなくていいのか・・。分かりました。色々聞けて良かった。」と、ニッコリ。
もんち先生「分からない事があったら、何でも聞いて!」と言って病室を出て行った。
10時頃、お菓子と4時間おきのサプリメントを飲んだ。
昼食の時間になるまで「まともな人(養老たけし)」と「おたんこナース〈漫画本〉5〜6巻」を読んで過ごした。
昼食に、バナナとサプリメントをたくさん飲んだ。
13時頃、点滴がもれてパッチリ先生に差し替えてもらうことになった。
ちょうどお腹も痛くなってきたので、ロキソニンを飲んで先生が来るのを待った。
パッチリ先生「右(腕のルート)は丈夫なはずなのに、何でもれたんだ?」と、不思議そう。
こぶ「以前は5日間もったのに、もたなくなったねぇ。」と、しみじみ言うこぶに、
パッチリ先生「そうだねぇ。こぶさんの腕は本当に難しくなったね。」と苦笑いしながらも必死に健康そうな血管を捜してくれた。
やっと針が入ったとしても入れた場所が悪いのか点滴が落ちていかない・・。
しまいには、腕がぷりぷり(?)なのか、針を腕がはねかえして入っていかない・・。
こぶ「先生、そこは無理だよ。」
パッチリ先生「ここに、入れたいんだよね。」と、力いっぱい針を押し入れた。
その瞬間、『ブスッ!』と、音がした。
ブスッと音がした時、こぶの顔から血の気が引いた・・。
そんなこぶを気にする事なく、パッチリ先生はようやく入った針にルートをつなげ、点滴の落ちを確認していたけど、案の定落ちずに針を抜く羽目になった。
『だから、言ったのにー。』
パッチリ先生は、4回失敗して5回目にようやく点滴をつなげてくれた。
こぶ「先生お疲れ様でした。」
パッチリ先生「こんなに失敗するなんて思わなかったー。」と、ショックを受けていた。
パッチリ先生が帰ったあと、
小麦さんに「こぶさん、あんなに失敗されたのに笑顔だね。」
こぶ「点滴しまくって、血管がボロボロなの自分でも分かってるからねぇ。」
小麦さん「大変ね。」と、また涙目になっていた。
『人のために泣けるなんて、やさしい人なんだな。』
14時頃、ミニゼリー1個と4時間おきのサプリメントを飲んだ。
16時頃、主任先生の回診があり、
こぶ「髪の毛伸びたの。」
主任先生「おお!これはすごいね!マーカーも順調に下がっているし、良かったね!」と、ニッコリしてくれた。
夕食に、ご飯半分と梅干1個、サプリメントをたくさんとフェログラ2錠を飲んだ。
18時頃、しゅうちゃんに電話して退院日程について話したら、土曜日に迎えに来てくれるとの事。
『しゅうちゃん、入院中に伸びてきた髪の毛を見て、びっくりするかな?』
19時頃、タコ先生の回診があった。
タコ先生「こぶさん、切開しないで今まで通り点滴で治療する事になったからね。」
ホッとした。
タコ先生の側にいたもんち先生に、
こぶ「先生、土曜日に退院したい。」
もんち先生「いいよ。帰って。」と、あっさり言われた。
こぶ「そんな、投げやりな言い方しなくてもいいじゃん。」
もんち先生は笑っていた。
先生達が帰ったあと、栗さん、小麦さんと話をして過ごした。
栗さんは相変わらず、
「こぶさんよりましかも・・。」を、連発していた。
『栗さんの方が、大変だと思うんだけど・・。』
今日も、夜中に温泉さんが苦しむ声が聞こえてきた。
こぶをかわいがってくれた温泉さんの苦しむ声が聞きたくなくて、布団を頭まですっぽりかぶって眠った。
2004年7月23日(金) 『退院できない』
かんなさん
栗さん
小麦さん
ゆずさん
夜中の3時頃、
ってものすっごく大きな音が響き渡った。
びっくりして起き上がると、
ゆずさんが「誰か〜助けて〜。っ(/´Д`)/」って言ってた。
なんだか分からないけど、小麦さん達と一緒にゆずさんのベッドに救助に行くと、ベッドとTV台の狭い隙間に見事にはまっているゆずさんを発見した。
夜勤の看護師さんも駆けつけてきた。
こぶ達「ゆずさん大丈夫?ってかどうしたの?」
ゆずさん「トイレに行こうとしてベッドの手すり(ベッドの左側)につかまろうとしたら、手すりがない方(ベッドの右側)に手を置いちゃって、ベッドから落っこちちゃった6((((≧▽≦))))9」
みょうにハイテンション。
こぶ達「頭打ってない?σ(^_^)」
ゆずさん「平気平気♪あ〜びっくりした!起こしちゃってごめんね。
♪└(★o★)┐♪」
こぶ達「良いよ。それよりゆずさん本当に大丈夫?σ(^_^)」
ゆずさん「うん。\(^▽^)/」
この後、ゆずさんは看護師さんにトイレに連れて行ってもらった。
見届けてから各自ベッドに戻った。
で、寝ようとしたんだけど、トイレから戻ったゆずさんはすっかり目が覚めてしまったようで、一人言「歳かしらねぇ・・。」とか「もうホントやんなっちゃう」などなど言ってるかと思ったら、
( ´〜)◇yズズズズとお茶まで飲みはじめてしまった・・・。
注意しようにもさすがにみんな眠いから、そのまま放っておいたら隣の病室から「うるさい!!ヾ(*`Д´*)ノ"」って怒られていた。
『ヤレヤレ・・・これで眠れる。』
朝。
6時起床。なんだけど・・。
夜中にゆずさんに起こされたから、誰1人として起きない(笑)
看護師さんに無理やり起こされた。
『眠いよ〜』
検温、採血2本をこなした後、
ナンちゃん先生「今日からブドウ糖(カロリー)点滴4本になるからね。」と言ってきた。
こぶ「栄養点滴?」
ナンちゃん先生「そう。こぶさん、食べられていないから4本で600kcalあるやつね。」と、ブドウ糖の点滴500mlと抗生剤2本をつなげてくれた。
ナンちゃん先生に、今朝方出血した事を伝えると「CRPの数値上がってるかもね。」と言われた。
『いやだな。』
7時頃、抗生剤が2本とも終わったので看護師さんにT字型の連結管からはずしてもらった。
朝食に、食パン1枚とサプリメントをたくさんとフェログラ2錠を飲んだ。
10時頃、ゆずさんがこぶの病室に入院してきて、
「あらこぶさん!久しぶりねぇ。なんか痩せたわね。」
こぶ「ゆずさん、お久しぶりですー。ゆずさんも、痩せましたね。」
ゆずさん「そうなのよー。」など、お互いの状況や治療について話をした。
11時頃、昼食を買いに売店に行くついでにカンナさんの病室に寄った。
こぶ「カンナさん、売店行くけど、注文ない?」
カンナさん「こぶさん、いいの?」
こぶ「うん。なに買って来る?」
カンナさん「たまごのサンドイッチお願い。」
こぶ「それだけ?」
カンナさん「ジュースとアイスもいい?」という注文に、こぶは銘柄などを細かく聞いて持って来ていたメモ帳に記入した。
カンナさんのベッドの向かい側の顔見知りの患者さんからも注文を取って行った。
売店から戻ってカンナさんに配達する途中で、
ゆずさんに「こぶさん居たー。さっき看護師さんがこぶさんのこと探していたよ。」と言われた。
こぶ「あとで、記録室に寄ります。ゆずさん教えてくれてありがとう。」と言い残してカンナさんの部屋に向かった。
カンナさんの病室では、買って来たアイスを食べながら色々と話をした。と、そこに
看護師さん「こぶさん、見つけたー。今朝の採血でCRP2.5に上がっていたから、今週退院するのは無理だと思う、ってもんち先生からの伝言です。」
こぶ「緊急で戻ってきたし、帰りたいなー。」
カンナさん「・・・炎症があるなら帰れないよ。」
看護師さん「ベッドでじっとしていた方が炎症がおさまって早く帰れるかもよ。」と言われ、
こぶは、カンナさんの病室を早々に引き上げて自分のベッドに戻った。
昼食に、ごはん半分とサプリメントをたくさん飲んだ。
14時頃、もんち先生が外来に出る前に来てくれた。
もんち先生「こぶさん、ナースから聞いた?聞いた?」
こぶ「うん。CRP2.5だって・・。右のお尻が痛いから?」
もんち先生「それ、寝すぎ。」と、思いっきり笑われた。
こぶ「そんなに、笑わなくてもいいじゃん。」と言うと、
もんち先生「だって右尻は、腫瘍のある部分とは関係ない場所じゃん。」とニッコリして病室を出て行った。
15時頃、メロンパン半分と4時間おきのサプリメントを飲んだ。
15時30分ごろ、しゅうちゃんが病室に来てくれた。
しゅうちゃんと、2階までデートして話をしていたら産婦人科外来の看護師さんに会った。
「こぶさん、久しぶりー。緊急で戻って来たんだって?大丈夫?」と、声を掛けてくたので、近況を話した。
『心配してくれるのはうれしいけど、よくこぶのこと覚えているなぁ。毎日たくさん患者さん来るだろうに・・。』
16時過ぎに、しゅうちゃんと別れて1人で病棟に戻った。
戻ったら熱が37.5度出ていた。
寝すぎて痛い右尻もまだ痛む。
ロキソニンを飲んでベッドでじっとしていた。
夕食には、サラダとサプリメントをたくさんとフェログラ2錠を飲んだ。
18時頃、抗生剤2本を看護師さんにつないでもらった時に、
看護師さん「こぶさん、CRP上がったね。」と言われた。
こぶ「うん。」と応えた後、もんち先生に『右尻の痛みは、寝すぎたせいだ』と言われたことを話した。
看護師さん「そうなのかな?痛いのにねー。」と、同情してくれた。
18時30分頃、抗生剤2本が終わったので、パッチリ先生が点滴をT字型の連結管からはずしてくれた時に、
パッチリ先生「こぶさん、もう少しの辛抱だからね。」と、励ましてくれた。
20時頃、メロンパン1口と4時間おきのサプリメントを飲んだ。
就寝時間になるまで、ゆずさん、栗さん、小麦さんと話をして過ごした。
最初は和やかに、退院したら旅行に行きたいとか、他愛のない話をしていたんだけど、
突然ゆずさんが「こぶさん、温泉さんの病室、夜中は入り口の扉閉める事にしたんだって。」と言ってきた。
こぶ「・・・そうなんだ。」
ゆずさん「隣の病室の人たちが、看護師さんに夜中うなり声がして眠れないって言ったんだって。」
こぶ、栗さん、小麦さん「・・・無言・・・。」
空気の読めないゆずさんは、「看護師さん達は、温泉さんがうなって苦しんでいるのに見に行かないで、記録室で笑っている。」とか色々言っていた。
こぶは聞いていたくないので「ゆずさん、眠る前に歩かない?」と話をそらして一緒に病棟を歩いた。
栗さん、小麦さんもあとから合流して4人で病棟を歩いた。
今日は、なんだか分からないけどすごく疲れた。
2004年7月24日(土) 『CRP迷走』
かんなさん
栗さん
ゆずさん
夜中の2時頃、お腹の痛みに起こされた・・・。
ベッドに敷いた防水シートにまでしみるほど出血している。
ナプキンを替えるのはトイレじゃないとできない。
周りの患者さん達を起こさないように気をつけてトイレに向かった。
トイレで見てみると、抗生物質の点滴が効いているみたいで『ばい菌』らしきものが大量に出ていた。
これは喜ぶべき事なんだけれど、痛くてそれどころじゃない。
5時30分頃、お腹の痛みがひどくなった。
痛くて歩きたくないけど、ナプキンを取替えるのはトイレじゃないと・・・。
『また出血してる。今週の退院は無理かな?』
検温をして抗生剤2本をつなげてもらったあと、つなげてくれた看護師さんに「夜中の2時頃からずっとお腹が痛い」事を伝えた。
それからロキソニンとセルベックスを飲んだ。
7時頃、トイレの帰りに点滴台を引いて記録室前まで行って体重を測った。
7月11日の53kgから今日は54kgに増えていた。
『体重が増えるのは、体が元気になってきた証拠!やったね!』
7時30分頃、パッチリ先生が病室に来て
「こぶさん、採血2本あるんだけどなんで?今日もするの?」と、声を掛けてきた。
こぶ「CRP2.5・・。」
パッチリ先生「あ〜。」
こぶ「今回つないでいるナロペン(抗生剤)、効いている筈だよね?骨盤腹膜炎の時のビクシリン(抗生剤)よりもいろんな菌に効果のある薬じゃなかったっけ?」
パッチリ先生「ビクシリンよりヘビーで抗殺菌できる薬なんだけどなぁ・・。」
こぶ「だったら、効いてくんなくちゃ。」
パッチリ先生「そうだよね。」と、抗生剤について色々話をした後、採血2本と抗生剤2本をT字型の連結管からはずしてもらった。
朝食に、食パン1枚とサプリメントをたくさんとフェログラ2錠を飲んだ。
9時頃、ナンちゃん先生「こぶさん朝方お腹痛かったんだって?」と聞かれて、夜中からずっと大変だったという苦労話をした。
ついでに「ブドウ糖点滴2〜3本に減らして。」とお願いしたら、
ナンちゃん先生「ご飯食べてる?」
こぶ「うん。」
ナンちゃん先生「本当?食べていないでしょ?こぶさん痩せたよね。」
こぶ「食べてるよ。今朝はパン1枚食べたし、体重も入院した時より1kg増えてたよ。」
ナンちゃん先生「体重が増えたのは水分でむくんでるだけだね。
昨日の採血で血中の中性脂肪値が高かったんだから・・。」と言いながら、採血結果のプリントを見て、「食べていないと体の中に蓄えている脂肪が血液中に溶け出して中性脂肪の数値が上がるんだよね。」と説明してくれた。
こぶのT−CHOは159で、こぶにしては高い数値。(こぶの普段の数値は119。一般的には、130〜220mgが平均値。)
ナンちゃん先生「こぶさん、何でもいいから食べてね・・・。」
こぶ「パン1枚は食べてるんだけどな。」
ナンちゃん先生「パン1枚じゃ全然たりないよ。ただベッドで寝ているだけでも 800kcalは消費するんだからね。ブドウ糖点滴1本が150kcalだ
から4本で600kcal。パン1枚のカロリーを足しても800kcalにならないんだから、ブドウ糖点滴を減らすなんて無理!きっちり4本入れるから
ね。」と、ナンちゃん先生に宣告されている所にもんち先生が来た。
『ホッ。助かった・・。』
もんち先生「こぶさんおはよう。明日なんだけど帰りたい?」
こぶ「うん。」
もんち先生「帰りたいかー。帰るのはいいけど、夕方の抗生剤2本入れてから退院ね。帰りが遅くなるけどいいよね?」
こぶ「うん。先生許可出してくれてありがとう。」と言うと、
先生達が「それにしてもなんでCRP1.8から2.5に上がったんだ?」と話し出したから、
こぶ「右尻痛いからじゃない?」と言うと、
もんち先生「だから、それは寝すぎだって!」と今日も笑われた。
ナンちゃん先生「たまたま上がったのかもね。また来るねー。」と出て行った。
こぶは1人残ったもんち先生に、
こぶ「退院する時フェログラはいらないけど、抗生剤欲しいな。」
もんち先生「フェログラは出さないよ。お腹壊すだけで効果ないし。抗生物質は処方しておくよ。」
こぶ「お願いします。」
もんち先生「まあ、頑固な腫瘍だからなー。貧血には注意しないとね。」とか久しぶりに色々話ができた。
10時40分頃、ミニパン1個と4時間おきのサプリメントを飲んでいたら、ゆずさんがおせんべいをくれた。
こぶがお礼を言うと、
ゆずさん「こぶさん、せめてお菓子でも食べないと先生の言う通り痩せちゃうわよ。」
こぶ「これ以上は痩せたくないな。」
ゆずさん「それにしてもナンちゃん先生はこぶさんに厳しいのね。」
こぶ「最初に入院した時より10kg痩せたからねぇ。」
ゆずさん「こぶさん、毎日薬が入るんだもんね。」
こぶ「うん。」と話していると、
栗さんが「こぶさんて大変なのねー。やっぱり私はこぶさんよりましなのねぇ。」
『こぶよりましって、この人は何回言えば気が済むんだろう?』
昼食に、杏仁豆腐とサプリメントをたくさん飲んだ。
15時30分頃、売店にコーヒー牛乳とカンナさん達に頼まれたサンドイッチとジュースを買いに行った。
買い物が終わり、配達しにカンナさんの病室に行くと、
カンナさん「こぶさん、いつもごめんねー。キャップ(CAP療法)になってから吐き気がきつくて。」
こぶ「明日退院するから、その前にまた来るね。」と、ニッコリして病室をあとにした。
16時頃、麩菓子1本と4時間おきのサプリメントを飲んだ。
17時頃、しゅうちゃんに電話で明日退院する事を伝えた。
しゅうちゃんは、「退院して大丈夫?」と、心配してくれた。
夕食に、さっき買って来たワンタンスープとサプリメントをたくさんとフェログラ2錠を飲んだ。
18時頃、看護師さんに抗生剤2本をつないでもらった。
看護師さん「今日の採血でCRP1.8に下がっていたよ。良かったね。」と言われ、こぶニッコリしていたら、
看護師さんに「こぶさん、顔赤いね・・。体温計持ってくる。」と、わざわざ記録室に体温計をとりに行ってくれた。
熱を計ると37.2度あった。
看護師さん「やっぱり熱あったね。」
こぶ「何で熱あるんだろうね。」と、話をした。
18時40分頃、ナンちゃん先生に抗生剤の点滴が終わった。
それから、ずっとつなげっぱなしだった水分点滴も漏れて、針を抜かれた。
こぶは24時間点滴をしたくなかったからちょうど良かった。
20時頃、今度はひざが痛くてロキソニンと4時間おきのサプリメントを飲んでベッドでじっとしていた。
『体調はいまいちたけど、明日絶対に帰るぞ!』
心に誓い就寝時間の前に眠った。
2004年7月25日(日) 『やっと退院』
栗さん
小麦さん
ゆずさん
温泉さん
朝の検温の時看護師さんに「こぶさん、夕方に退院するんだよね?」と聞かれ、
こぶ「うん。それまでお世話になります。」と応えた。
6時30分頃、ナンちゃん先生に抗生剤2本とブドウ糖点滴をつなげるための点滴針を刺してもらった。
ナンちゃん先生「こぶさんの腕は難しいねー。」といいながらも1回でをつないでくれた。
ナンちゃん先生「クラビットとセルベックス処方してあるから退院する時看護師にもらってね。」
こぶ「分かりました。先生、緊急で戻って来てすみませんでした。」
ナンちゃん先生「大変だけどもう少しの辛抱だから。来月もよろしくね。」と言って病室を出て行った。
7時頃、病室の患者さんにお菓子をくばって話をした。
小麦さん「こぶさん、退院できて良かったね。」
こぶ「うん。CRP下がって良かった。」
ゆずさん「こぶさん、また会えるわよね?」
こぶ「9月まで治療だから会えますよ。」
栗さん「こぶさんが今度入院してくる時には、私は退院しているからこぶさんにもう会えないのね。」と、寂しそうに話してくれた。
朝食に、ロールパン1個とサプリメントをたくさんとフェログラ2錠を飲んだ。
10時頃、麩菓子1本と4時間おきのサプリメントを飲んだ。
11時頃、売店に行くついでにカンナさんところにサンドイッチなどの注文を取りに寄った。
しばらくして売店から戻ると、病棟を歩いていた栗さんに「こぶさんの事探してる患者さんが居たよ。」と声を掛けられた。
カンナさんの病室に食料を届けて病室に戻ると、
ゆずさんと小麦さん達が、「こぶさんお帰り。今日入院して来た花火さんて人がこぶさんにってすいか置いて行ったよ。ついでに私達まですいかもらっちゃった。」と言う。
『花火さん?誰だろう?』と思ったけど、挨拶しに行かなくちゃと思って病室を出ると、
ゆずさんが「花火さんの病室探すの手伝うわよ。」と、こぶと一緒に花火さんの病室を探してくれた。
花火さんの病室は病棟左側の一番奥の部屋で発見された。
ゆずさんが「この部屋は常連さんが入院する部屋。」と言っていた。
『そうなんだ・・・。ここ数ヶ月この部屋にあたる事が多かったのはこぶが常連だからなのねー。』と納得した。
その病室の患者さん達に挨拶しながら入って行くと、ベッドに横になっている花火さんを見つけた。
花火さん「こぶさん久しぶり、まだ入院していたのね。覚えている?」
『思い出した!』
こぶ「はい。4月頃温泉さんと同じ病室でしたよね。」
花火さん「そうそう。すいか持って来たばかりで冷えているから食べてね。・・・それから、吐き気があるなら無理しないでいいからね。」とニッコリしてくれた。
こぶは、花火さんと話をしたあと他の患者さんにも挨拶をして自分の病室に帰った。
ゆずさんは、残って花火さん達と話をしていた。
11時30分頃、2本目のブドウ糖点滴を看護師さんにつないでもらった。
昼食に、すいかとサプリメントをたくさん飲んだ。
昼食の時突然ゆずさんが、温泉さんが使用しているモルヒネについて花火さんの病室で入手した情報を話し始めた。
こぶは、「最近モルヒネの注射が2本に増えたんですって・・・。」とか得意げに色々話しているゆずさんに、
「すいか冷たいうちに食べた方がいいよ。」と声を掛かけた。
13時頃、ゆずさんに病棟を一緒に歩かないか誘われたけど、本が読みたかったので断った。
こぶがベッドに横になって養老猛著の「まともな人」を読んでいた時、
小麦さんと仲良しの患者さんが病室に遊びに来て、
「うちの部屋の患者さん達がさー。温泉さんて人の話ばかりしててさ・・・。つらい人の話なんて聞きたくないよね。」と言っているのが聞こえてきた。
『他の部屋でも温泉さんのことを話題にしてる人がいるんだ・・。』と、思っていたら、
小麦さんが「こぶさん、本読んでいる時にごめんね。温泉さんって人の事なんだけどみなさん知っているよね。」
こぶ「温泉さんは元気だった頃、病棟の患者さん達と仲良く話していたから・・・。」
小麦友達さん「仲の良かった人の事をうわさ話するのってどうなの?ここの病室の人もうちの部屋に来てモルヒネがどうだの言ってるしー。」と色々不満のような事を言っていた。
小麦友達さんが言う「この部屋の人」とはおそらくゆずさんの事だろうと察しがつく・・。
『こういう時どうしたらいいんだろう?注意するでもないし・・・。』
14時の検温で、午前中活動的に出歩いていた疲れがでたのか熱が37.8度出た。
看護師「こぶさん、退院していいの?」
こぶ「ロキソニン飲むね。」とだけ言って、ロキソニンを飲んでベッドでおとなしく寝て過ごした。
15時頃、、2本目のブドウ糖点滴をのっぽ先生につないでもらった。
のっぽ先生「こぶさん、熱下がりました?」
こぶ「うん。さっき熱測ったら、36.8度だった。」
のっぽ先生「下がったんだね。良かった良かった。」と言ってくれた。
その後、もんち先生が来て、
「こぶさん、今日帰るんだよね。」
こぶ「うん。先生に聞きたい事があるんだけど、退院中温泉に行きたいんだけど行っても平気?」
もんち先生「CRP下がったし良いよ、行って。それよりこぶさん、養老猛読んでいたの?」
こぶ「うん。この本、固定観念とかについて書いてるんだけど難しくて読むの大変。」
もんち先生は、「おもしろそうだけど難しいのか。」と、本をパラパラめくっていた先生に、
こぶ「先生、おやすみなのに来てくれたありがとう。」
もんち先生はニッコリして、「じゃあ。8月ね。」と、病室を出て行った。
16時頃、抗生剤3本を再びのっぽ先生につなげてもらった時、ロキソニンとクラビットは一緒に服用していいのか聞いた。(もんち先生に聞き忘れた。)
のっぽ先生「一緒に飲むと、稀にだけど痙攣を起こす事がある。」と教えてくれた。
こぶは、この「稀」によく引っかかるから、一緒に飲むのはやめようと思った。
16時30分頃、抗生剤の点滴が終わってT字型の連結管からはずしてもらった。
夕飯は、外食したかったから病院食は食べずにサプリメントだけたくさん飲んだ。
19時頃、3本目のブドウ糖点滴が終わり帰る準備をしながら病室の患者さんに挨拶をした。
(4本目のブドウ糖点滴は、「お家に帰ったらご飯ちゃんと食べるから。」と言っておまけしてもらった。)
小麦さんが、「こぶさんがんばってね。」と励ましながら箱ティッシュを1箱くれた。
ゆずさんも栗さんもお菓子をくれた。
19時30分頃、しゅうちゃんが迎えに来て、記録室で処方された薬をもらって、そばにいた看護師さんに
「緊急で帰って来てごめんね。」とお詫びしてからお家に帰った。
お家に帰る途中、しゅうちゃんにおすし屋に寄ってもらっておすしを食べた。
ついでに、サプリメントをたくさとクラビット100を飲んで帰った。
家に着いたのが、21時を過ぎ。
『病院を出たのが遅かったから仕方ないけど、疲れたよー。』