2004年1月27日(火) 『造影剤一気飲み』
今日は朝からあわただしい。 |
2004年1月28日(水) 『カンファレンス』
ピンクさん
すいかさん
ユリさん
さくらさん
11時頃、婦人科病棟の6人部屋に移った。
婦人科に移動すると、記録室からお腹の大きい妊婦の看護師さんが出てきた。
妊婦看護師「あっこぶさんですね。初めまして〜、○○です。こぶさん、6人部屋ね。」
こぶ『絶句・・・・。 ゚+.(ノ・ω・、)ノ・・ノオオォォ・・・』
でも、そんなのお構いなしに、妊婦看護師さんはこぶを病室へと導く。
その後ろから泣きそうな顔をしながらこぶはついて行った・・。
くすん ( ノω-、)
妊婦さんが働いていても別に良いのだが、侵入奇胎と診断されたこぶには、お腹のぷっくりした看護師さんがいることはショックだ・・。
『この看護師さんは、なるべく見ないようにしよう。』と、心に誓った。
こぶの入る病室は何回目かの治療で来ている患者さんがほとんどだった
こぶ「よろしくお願いします。m(^_^)m」
患者さんたちに、(ピンク・ユリ・さくら・すいかさん。)「こちらこそよろしく。ところであなた何の病気?\(^∇^)/」
こぶ『いきなり聞くか〜?。言った所で分からないだろうから言いたくないな。(・へ・;)』
と黙っていると、ピンクさんが自分の病気について話はじめた。
その場にいた4人全員が話し終わるといよいよこぶの番になった。
こぶ「侵入奇胎で・・。(^ー^;)」
すいかさん「知ってる!ぶどうっ子って言うのよね。美智子様が昔なったのよね。σ( ̄◇ ̄;)」
ピンクさん「私も知ってる!前に胞状奇胎の人とお部屋一緒になってね。
その人肺に転移して大変だったんだけど、2年経ってお子さん出来たって病室に来たわよ。
だからあなたも大丈夫よ。若いんだからがんばって! (^_^)/」と励ましてくれた。
色々話を聞いているうちに自分の病気についての不安や抗がん剤に対する恐怖心が薄れてきた。
「がんばって!」と言われ、
『怖がって泣いていてもやるしかない!』と勇気が湧いてきた。
「がんばって。」と言われても、これ以上どう頑張ればいいの?と嫌がる人もいるかもしれない。
でも、こぶの場合は、患者さん同士の「がんばって!」とかの励ましの言葉は、今後治療していく上で励みになった。
(健康な見舞い客には言われたくはないけどね。)
病気についてそれぞれが話し終えたころお昼の時間になった。
今日はミートソーススパゲティの日。
こぶはMRIを撮るから食べられない。
ピンクさん「こぶさん、ここのミートソース美味しいから取っといたら?d(^-^) 」とラップを貸してくれた。
午後、なすび先生に連れられてMRIで胸部・骨盤内造影。
腸の動きを止める薬を筋肉注射で入れて、その後造影剤を注射で入れて30分ぐらいで終了。
病室に戻って来てから採血4本をした。
採血が終わったこぶに、
ピンクさん「こぶさんお腹減ったでしょ。温めてくる?(~-~) 」
こぶ「電子レンジあるの?」
ピンクさん「ある場所教えてあげる。(~ー~)」と言ってこぶを案内してくれた。
「ポットはここ。(*~◇~)σ」と温めて帰るときにポットの場所も教えてくれた。
病院食は薄味なのかと思っていたら、しっかり味が付いていた。
「美味しい。」と言って食べているこぶに、
ピンクさん「そうでしょ。意外といけるのよ。あとね、ちらしずしが美味しいよ。(ノ~o~)へ」
すいかさんが「ハヤシライスもね。(ノ~o~)へ」と言っていた。
夜、主治医の先生2人から、しゅうちゃんとこぶに今後の治療についてカンファレンスルームで話があった。
主治医2人となすび先生がこぶ達に改めて挨拶をした後、タコ先生がライトボードに、CTとMRIの画像を映し出し
「どういう訳か、子宮に穴があいていて、そこからぶどうが飛び出しておなかにいます。これがそう。L(・o・)」と映し出されたフィルムを指差した。そして、黒板に子宮とお腹の絵を描いて、
「今お腹のこの辺に腫瘍があります。@ヾ(-_- )コレナンダケド」
と今のこぶの状態について説明した。
侵入奇胎の中でも、とても珍しくたちの悪いものだった。
こぶの場合、他の臓器には転移せずに、子宮の壁を破っておなか(胃の下)にいた。
この病院でも、胞状奇胎自体が年に1〜2例しかないのに、その中でもこぶのようなタイプの症例は、きわめて珍しいそうだ。
今後の治療については、
1月30日〜2月2日までの4日間抗がん剤メソトレキセート(略してメソトレ)20rを筋肉注射。その後、1週間空けて20r×4日間、これを5〜6クール行う。効果がなければ、点滴で抗がん剤治療ということになった
。
こぶの想像をはるかに超えたぶどうっ子の性質の悪さに、これ以上話を聞きたくなくうつむいていると、
「がんばれ!p( ̄▽ ̄)q 」という声が聞こえた。
声の聞こえた方向を見るともんち先生がこぶを見いた。
そしてもう一度小さな声で「がんばれ!p( ̄▽ ̄)q 」
『がんばれないよ・・。o(>ヘ<)o』そう思いつつも、こぶがうつむいて話が中断しているので、しゅうちゃんの手をギュッと握って再び顔を上げタコ先生の説明を聞いた。
タコ先生「手術は子宮の壁が薄いのと、おなかにぶどうっこがいるからもう出来ない。90%の確率で失敗します。なので、覚悟を決めて下さい。」と言われた。
『覚悟ってなに?』これから自分がどうなってしまうのか判らなくて怖い。
もんち先生が「髪の毛が少し抜ける。」と言っていた。
抗がん剤をしたら髪が抜けるのは分かっていたけど、改めて『抜ける。』と言われるとショックで涙が出てきた。
しゅうちゃんは冷静に、タコ先生に色々質問していた。
話が終わりカンファレンスルームを出てから、しゅうちゃんに「しゅうちゃんママに電話してね。」とお願いした。
病室に戻るとピンクさんが「先生のお話どうだった?」と聞いてきた。
こぶ「あさってから抗がん剤の治療だって・・。( ̄_ ̄|||)」
ピンク・ユリさん「そうなの。えっ毎日注射で薬を入れるの?しんどいね。(;´o`)」
こぶ「うん。抗がん剤の注射はそんなにきつくないとは言っていたけど怖いな。
髪抜けるって言ってたし。( ̄_ ̄|||)」
ピンクさん「治療が終わったら、生えてくるから・・。 (;^ー^)/」
ユリさん「私もこれから治療なの。お互いがんばろう。p( ̄0 ̄)/」と励ましてくれた。
『タコ先生が言うように覚悟決めないとね!
こぶちゃん、がんば!○(^o^)o』と自分にエールを送った。
消灯前に看護師さんがこぶの所に来て
「明日から尿を計ってもらうので、今からやり方を教えますね。d(^-^) 」と、こぶをトイレの隣の部屋にある尿を計る機械の前に連れて行った。
看護師さん「名前の貼ってあるカップに尿をためてもらったら、機械に貼ってある自分の名前のボタンを押して・・。」と説明してくれた。
看護師さんに「もう、ためなくて(尿)いいよ。」と言われるまで毎日溜めることになった。
こぶは入院してからずっと、(24時間)点滴をしているから1時間おきにトイレに行く。
その度に尿を計るのは『めんどくさいな。』と思った。
今日も就寝時間が過ぎても眠れなかった。
目を閉じると恐怖心が沸いてきて、眠れない。
入院してからほとんど寝ていないから頭が痛い。
目を閉じて
『しゅうちゃんの為にやるしかない!もんち先生も患者さん達も「がんばって!」って言ってくれたし・・、
こぶちゃんがんば!○(^o^)o』と再び自分を勇気づけて目を閉じた。
2004年1月29日(木) 『歩いてみた』
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